記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/16 記事改定日: 2020/9/21
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
尿の流れが悪くなる「腎盂尿管移行部狭窄症」を知っていますか?腎盂と尿管のつなぎ目の部分が狭くなってしまう病気ですが、どんな症状が現れるのでしょう。手術方法の種類も一緒に解説していきます。
腎盂尿管移行部狭窄(じんうにょうかんいこうぶきょうさく)症とは、腎盂(じんう)と尿管のつなぎ目の部分が狭くなっている状態のことです。
側腹部の痛みや、嘔吐、吐き気、血尿、発熱などの症状がある場合もありますが、自覚症状がないこともあり、健康診断や妊婦健診の超音波検査で水腎が見つかり、腎盂尿管移行部狭窄症の診断につながることがあります。
腎盂尿管移行部狭窄症が疑われる場合は、次のような検査が必要になります。
腎盂尿管移行部狭窄症は、腎臓に負担がかかることで腎臓内の腎盂と呼ばれる部分が腫れる「水腎症」が現れます。そのため、超音波検査やCT検査で腎盂の状態や尿管の拡張の有無などを調べる検査を行うのが一般的です。
また、造影検査は尿管や尿道に管を入れて造影剤を注入することで、尿管に通過障害があるか調べることができます。身体に負担がかかる検査ですが、診断のために必要な検査です。
腎盂尿管移行部狭窄症は、腎臓の働きと関係があると考えられています。
体の中のさまざまな代謝によってできた不用物質や、体内に溜まると害のある物質は、血液の流れに乗って腎臓に運ばれます。腎臓の中のろ過装置で、不用なものがろ過され、尿のもとになる原尿(げんにょう)がつくられます。このろ過装置をネフロンといいます。
ネフロンは、ひとつの腎臓の中に約100万個あるといわれ、それぞれのネフロンがろ過をした尿が腎臓の中で溜められる場所が腎盂です。その後、尿管を通って膀胱に運ばれ、最終的には体の外に排泄されます。
しかし、何らかの原因で腎盂から尿管への尿の排出が上手くいかなくなった場合、腎臓はろ過を続けます。すると行き場のなくなった原尿は腎盂の中に溜まり、腎臓はだんだんと腫れ上がったようになります。
この状態を水腎(すいじん)といい、腎盂尿管移行部狭窄症は、水腎の原因となります。特に子供の水腎は、大部分が生まれつきの腎盂尿管移行部狭窄症が原因となっているといわれます。
腎盂尿管移行部狭窄症の原因としては、腎盂と尿管の結合部の組織の異常や、血管の異常が多いといわれています。水腎症が重度であったり腎機能の低下や自覚症状の持続が認められたりするなど、自然治癒が難しいとされた場合には、外科的な手術で治療を行います。手術の方法は、大きく4つあります。
開腹をする手術に比べて、腹腔鏡や内視鏡を用いた手術は傷も小さく、体への負担も小さくなります。しかし、実施できる医療機関はいまだ限られていますし、症状によっては必ずしも実施できるとは限りません。また、経過を追いながら手術時期を検討するということもあるでしょう。
腎盂尿管移行部狭窄症は、腎臓から尿管へ尿を送り出す部分が狭くなっている状態です。腎臓に尿がたまることで腎臓が腫れたような状態となります。自覚症状がないこともあり、健康診断や妊婦健診で発見されることもあります。治療は外科的な手術が中心となりますが、いくつかの手術方法は実施される医療機関が限られています。
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