寝起きの肩こりは枕や歯ぎしりが原因?解消するにはどうすればいい?

2018/11/9

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

寝ても覚めてもよくならない肩こりの原因は、いつも使っている枕や気づかないうちに癖になっている歯ぎしりかもしれません。一日の三分の一の時間を占めることもある睡眠は、体に大きな影響を与えます。睡眠の環境は、肩こりとどのような関係にあるのでしょうか。

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寝起きの肩こり、原因は枕にあった?!

肩こりの主な原因は筋肉疲労です。姿勢の悪さ、冷え、眼の疲れ、体に合っていない衣服の着用などが、肩周辺の筋肉に不自然な負担をかけてしまいます。

なかでも自覚しづらいのが、自分に合わない枕の使用による筋肉や関節への負担です。およそ6~8時間という長さの睡眠中に体に負担がかかり続けると考えると、枕など睡眠の環境による影響は見過ごせません。ただ、頭の大きさや体格によって、ちょうどよい枕の高さは人それぞれです。

枕が高すぎると?
顎が引けた姿勢になり、首が前に傾きます。首の靭帯が伸びたり肩の筋肉に力が入って緊張状態が続き、肩こりを引き起こします。
枕が低すぎると?
頸椎が反って体より低い位置に頭部が沈むため、血液が頭へ流れやすくなります。すると寝つきが悪くなります。頭の重さが首にかかり、椎間板に負担をかけることがあります。
肩こりを防ぐ枕選びのポイント
ちょうどよい高さの枕に仰向けに寝ると、首の骨が自然なカーブを描きます。枕選びのポイントは「高さ、硬さ、幅」の3つです。

  • 高さは5~7cmが目安で、首のカーブに自然になじむこと
  • 頭が沈みこまないような硬さのあるもの。柔らかすぎは×
  • 横幅は60cm以上で、枕から頭が落ちないゆとりを持たせる

歯ぎしりも寝起きの肩こりを招くってホント?

「体にフィットする枕を使っているのに寝起きに肩がこっている」という人は、顎の噛み合わせや歯ぎしりの悪影響が考えられます。

顎の噛み合わせの悪さは、肩や首の筋肉を緊張させます。就寝中の歯ぎしりは筋肉をこわばらせますが、噛み合わせの悪さが原因のひとつとされています。
寝起きに以下のような症状がみられたら、就寝中に歯ぎしりや噛みしめをしている可能性高いです。

  • 首筋にこわばりがある
  • 全身がだるく疲労がとれていない
  • 顎が痛い
  • 奥歯に違和感がある
  • 歯が割れていたり削れていたりする
  • 冷たいものや熱いものが歯にしみる(知覚過敏)

歯ぎしりや噛みしめに心当たりがあるなら歯科医に相談してみましょう。歯や歯茎の状態から適切な治療法を検討してくれます。マウスピースを就寝中に装着し歯ぎしりを防ぐ治療法などがあります。

自分でできる予防はストレス解消です。ストレスから歯ぎしりや噛みしめをしてしまう人もいますが、癖になると睡眠中でも無意識に力んでしまうことが少なくありません。

日中の疲れが、寝ても取れないままだと肩こりを招く?

日中にたまった疲れを放置しておくと、体が緊張したまま眠ることになり就寝中も体に無駄な力が入ってしまいます。特にデスクワークで座りっぱなしの人は要注意です。姿勢の悪さやパソコン作業による眼精疲労、ストレスからの噛みしめなど、筋肉を疲労させる要因がいくつも重なっています。

対策としては、就寝までに疲労を和らげ筋肉をほぐすようにしてください。こまめに体を動かして筋肉をゆるめ、肩の力を抜きましょう。おすすめはストレッチです。

オフィスでもできるストレッチ

  • 手の平を天井に向けて伸ばし、ストンと力を抜く
  • 肩甲骨を大きく回す
  • 手首や足首を回す
  • 腰をゆっくりと左右にひねる
  • 深く息を吸って吐く

就寝前のストレッチ

  • 湯船に浸かり、首・肩を重点的に体を温める
  • 布団の上で股関節を伸ばす
  • 仰向けの状態で背伸びをし、力を抜く

軽い運動で筋肉ほぐし

散歩や軽い運動でストレスを解消しましょう。ただし、初めからきつい運動をしてしまうと筋肉が緊張が取り切れなかったり疲労が溜まってしまうことで、逆効果な場合があります。軽く息が切れる程度の運動から始めてみてください。
運動が終った後にクールダウンのストレッチをするのも忘れないようにしましょう。

おわりに:ストレッチで体をほぐし、ちょうどよい高さの枕で快眠を

睡眠は体の疲れを回復する大切なひとときです。ところが自分に合わない枕を使っていると、かえって肩こりを招いてしまうとはショックですよね。「高さ、硬さ、幅」をポイントに枕を選び直して、寝起きの肩こりを改善してみましょう。枕を変えたら口内環境が改善されることがありますので、歯科医に相談するのもおすすめです。

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