炭水化物と糖質の違いは?ダイエット中に食べていい糖質の量って?

2018/11/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

ダイエットでは食事制限が成功のセオリーといわれていますが、炭水化物と糖質には違いがあるのを知っていましたか? 着実にダイエットを進めるためにも、このふたつの栄養素の違いをきちんと理解しておくことをおすすめします。

炭水化物と糖質って何が違うの?

炭水化物と糖質は同じ栄養素のように思われがちですが、体への作用や含まれる成分に違いがあります。

炭水化物
食べものに含まれる栄養素のうち、体をつくるもととなる必須の「炭水化物、脂質、たんぱく質」は三大栄養素と呼ばれています。炭水化物は炭素、水素、酸素からなり、糖質、食物繊維に分類できます。主食であるごはんやパン、いも類に多く含まれ、体や脳が活動するためのエネルギーになります。
糖質
糖質は炭水化物の一部です。糖質は栄養素のなかでもただちにエネルギーとして消費される性質を持ちます。また体内で分解された糖質は、肝臓や筋肉で貯蔵されます。余った糖質は中性脂肪に変化し、脂肪細胞に蓄えられます。糖質は大きく分けて、多糖類、少糖類、二糖類、単糖類に分類されます。

  • 多糖類(セルロース、グリコーゲン、デキストリン)
  • 少糖類(オリゴ糖)
  • 二糖類(ショ糖、乳糖、麦芽糖)
  • 単糖類(ブドウ糖、果糖)

炭水化物と糖質の違い

炭水化物には食物繊維が含まれますが、糖質には含まれません。食物繊維とは人間の消化酵素では消化しきれない成分で、栄養素の吸収や老廃物の排泄、腸内環境の正常化を助けると考えられています。また血糖値やコレステロールの上昇を抑え、肥満予防の効果も期待されます。食物繊維はダイエットをサポートする働きを持つのです。

ダイエットしたいなら、糖質はどのくらい摂って大丈夫?

近年、ダイエットのキーワードとして注目が集まっているのが糖質制限です。糖質の摂り過ぎはエネルギー過剰を招き、肥満の原因となります。それでは理想の糖質摂取量はどの程度なのでしょう。

  • 一日で少なくとも必要とする糖質の量=100g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2015年版

ただし一日に消費するエネルギー量から換算すると、30~40代の成人女性では一日に250~300gの糖質が必要です。ダイエットを目的とするならば、多くても130gほどに糖質を抑えると効果が出やすいといえます。

食品に含まれる糖質

  • 白米茶碗一杯(150g) 約55g
  • 食パン一枚(60g) 約26.5g
  • ショートケーキ一個(110g) 約51g
  • さつまいも(70g) 約18.5g
  • バナナ1本(220g) 約28g

食べる順番が糖質の影響を左右する!

食後は血糖値が上昇し、インスリンというホルモンが分泌されます。エネルギーとして利用されずに余った糖質は、インスリンによって脂肪に変えられてしまいます。つまり食後の血糖値上昇をゆるやかにし、摂取した糖質の変化をコントロールすることが大切になります。

そのためには、食事の順番が肝心です。食物繊維をまず始めに口にすると、血糖値の急激な上昇を防ぎます。食物繊維は主に野菜に多く含まれているので、サラダなどから食べ始めるのがおすすめです。

糖質をまったく摂らないのはNG!

ダイエット成功への近道は糖質を減らすことのように思えるかもしれません。ところが糖質を制限しすぎると脳に必要な栄養が不足し、体に異変があらわれます。

糖質不足の症状
無気力、倦怠感、疲労、眠気、集中力の低下、肝機能の低下、ケトアシドーシス
ケトアシドーシスとは?
本来はアルカリ性に保たれている体液のPHバランスが乱れ、血液が酸性に傾きます。吐き気、嘔吐、疲労感がみられます。症状が重いと昏睡状態に陥る場合があります。

食物繊維は体内でどんな働きをしているの?

糖質は急激に減らしたり極端に制限すると体にデメリットを多くもたらします。健康の範囲内でダイエットをしたいなら、食物繊維を上手に活用するようにしましょう。

食物繊維には水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」があります。水溶性食物繊維は、便を柔らかくして排泄を促す、糖質の吸収をゆるやかにするなどの働きを持ちます。不溶性食物繊維は、大腸の蠕動運動を促す、便のカサを増し排泄をサポートするといった役割があります。

一日の食物繊維の摂取目標量

  • 18~69歳の男性は20g以上
  • 18~69歳の女性は18g以上

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2015年版

食物繊維の摂取方法

  • 主食は食物繊維を多く含む食品にする(玄米や雑穀米、全粒粉パンなど)
  • 汁物の具材に海藻や豆腐を使う
  • 量をたくさん摂るなら調理法は「茹でる」がおすすめ

おわりに:適量の糖質を食物繊維とセットで食べましょう

食べ過ぎると肥満をまねく糖質ですが、体と脳には欠かせない栄養素です。食事では糖質を食べる前に食物繊維から口にしてください。そうすることで血糖値の急激な上昇を抑えられます。バランスのよい食事で健康的にダイエットを成功させてくださいね。

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