記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
冬の皮膚トラブルとして特に多い、ひびやあかぎれ。治すには皮膚科で薬を処方してもらうのがベストですが、なかなか病院に行く時間もない…という方のために、有効な市販薬をご紹介していきます。
あかぎれやひびができてドラッグストアに行っても、似たような薬がズラリ…結局どの薬がいいのか、わからなくなってしまいますよね。そもそもあかぎれやひびは、気温の低下や乾燥に伴う皮膚の乾燥が主原因なので、ひとつの目安として、以下の成分が配合されているか注目してみてください。
人間の体内にある「ヘパリン」という物質と似た作用を持つ成分。「保湿」「血行促進」「抗炎症作用」の3つの作用があり、肌のターンオーバーを促進することで肌荒れを早く治す効果があるとされます。
保湿成分の一種。肌の潤いをキープしてくれます。
石油を高純度に精製して作られた、皮膚の保護剤。肌表面に油分の膜を張ることで、水分の蒸散を防ぐ作用があります。
かゆみを抑える成分。これが配合された薬は「抗ヒスタミン薬」と呼ばれ、かゆみの原因物質であるヒスタミンの作用を抑制する効果があります。ひびが悪化し、かゆみを伴う場合はこの成分が配合された薬がおすすめです。
傷ついた皮膚組織の修復を助ける作用や、抗炎症作用があります。
マメ科の植物・カンゾウ(甘草)の根に含まれる有効成分「グリチルリチン」の誘導体です。抗炎症作用や抗アレルギー作用をもちます。
以降では、あかぎれやひびの改善に効果が期待できる市販薬の一例をご紹介していきます。
割れた皮膚組織の修復を助けるアラントインや、保湿成分のグリセリン、かゆみを抑えるジフェンヒドラミンのほか、肌細胞に元気を与え、修復を助けるパンテノールなどが配合されています。かゆみなどの症状を緩和しつつ、手指など患部全体を正常な肌状態に戻していく効果が期待できます。
その名のとおり白色ワセリンが成分であり、肌表面に油分の膜を張ることでの保湿効果と、皮膚の保護作用が期待できます。
あかぎれやひびができてしまったときは、保湿や抗炎症作用などをもつ軟膏を塗ることで、炎症の悪化を防ぎつつ治りを早めることができます。ご紹介した市販薬は一例にすぎませんが、処方薬と比べると効き目は限定的なので、もし使用してみても改善しない場合は、皮膚科医に診てもらうようにしましょう。
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