乾燥肌のスキンケア、保湿のポイントは? 化粧水や乳液の選び方は?

2018/11/23

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

「毎年冬になると、肌がカサカサになる」――寒い時期に多く寄せられるお悩みのひとつが、肌の乾燥です。今回は乾燥肌のスキンケアで最も重要な「保湿」のポイントや、化粧水・乳液の選び方について解説していきます。

そもそも「乾燥肌」ってどんな状態?

私たちの肌の表面には、水分を保ち、外からの刺激を防ぐ「角質層」という細胞の層と、その外側を膜のように覆う「皮脂」によって構成されています。この角質層の中で水分を蓄えているセラミドや天然保湿因子(NMF)などの保湿成分が不足したり、あるいは皮脂の分泌量が減ったりしたことによって水分が逃げてしまい、肌の表面が乾燥した状態を「乾燥肌」と呼びます。

乾燥肌になると、角質層がはがれてバリア機能が低下し、そこにアレルゲンなどの刺激物質が入り込むことで、かゆみが出たり、白い粉をふいたりするようになります。

乾燥肌のスキンケア、保湿するときのポイントは?

乾燥肌のスキンケアでは、「保湿」によって皮膚のバリア機能を上げることが非常に重要です。ただ、保湿が大切ということは知っていても、正しいケアができている方は案外多くありません。化粧水や乳液などで保湿をする際は、以下のポイントをきちんと守ることが大切です。

洗顔や入浴後、すぐに保湿をする

洗顔や入浴後は、角層から天然保湿因子やセラミドなどの保湿成分が流れ出やすくなるため、30分程度経つと、洗う前よりも肌の水分量は減った状態になっています。洗顔や入浴後(シャワーも含む)は、すぐに化粧水や美容液、乳液などで保湿を行いましょう。

化粧水以外の保湿剤も使う

「保湿では化粧水しかつけない」という方もいるようですが、化粧水のみの保湿では一時的に肌が潤ったように思えても、乾燥肌の人は根本的に肌のバリア機能が低下しているため、すぐに水分が蒸発してカサカサになってしまいます。美容液や乳液、クリームなど別のタイプの保湿剤を重ねづけしたほうが、保湿効果はぐんと高くなります。

なお、保湿剤ごとのおおまかな役割は以下のとおりです。

  • 化粧水:水分を補う
  • 保湿美容液:保湿成分を補う
  • 乳液:水分や保湿成分を維持する
  • クリーム:水分を閉じ込める

保湿の回数、保湿剤の使用量を見直す

基本的な保湿回数の目安は、1日2回(朝と夜)ですが、乾燥がひどいときは保湿回数を増やしたり、美容液やクリームなど別のタイプの保湿剤をプラスしたりするのが有効です。

また、せっかく保湿剤を使っていても、つける量が少なくては効果が半減してしまいます。顔全体にたっぷり使うことも大切です。

保湿剤のつけ方を見直す

保湿剤を手でつける場合は、以下のような手順で行ってください。

  1. 清潔な手のひらに、保湿剤をたっぷりとる
  2. 乾燥しやすい部分から保湿剤をつける
  3. 手のひら全体を使い、顔を包むようにしてなじませる

なお、前につけた保湿剤が肌全体になじんだのを待ってから、次の保湿剤をつけるようにしてください。

化粧水や乳液はどんなものを選べばいい?

冒頭でお伝えしたとおり、乾燥肌はセラミドや天然保湿因子、皮脂が不足している状態なので、下記の成分が配合された保湿剤がおすすめです。

  • アミノ酸系:角質細胞の中に、水分を補給する作用があります
  • セラミド:水分の保持作用が高く、角質細胞の間を埋めて、潤いをキープしてくれます
  • スクワラン:皮脂類似成分とされており、皮脂膜を強化し、水分の蒸発を防ぐ効果があります

このほか、ヒアルロン酸やコラーゲンが配合されている化粧水や乳液も、保湿に有効とされています。

おわりに:ふだんの保湿ケアの見直しを

乾燥肌には保湿が重要ですが、化粧水しかつけていなかったり、つける量が少なかったりすると、十分な保湿効果が得られず、またカサカサになってしまいます。しかし、いつもの保湿にちょっとひと手間加えたり、保湿効果の高い成分の入ったスキンケア用品を選んだりすると、少しずつ乾燥肌は改善していきます。ぜひ実践してみてください。また、掃除や洗濯のやり方を見直す、入浴剤を見直すお肌にやさしい洗濯洗剤と柔軟剤を使うことも大切です。シャワーや入浴の習慣なども少しずつ見直すようにしましょう。アルコール(エタノール)の刺激にも注意してください。

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