記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血糖値を下げるインスリンを分泌する臓器として知られる、膵臓(すいぞう)。
この膵臓が何らかの理由で炎症を起こすと、急性膵炎という病気になることがあります。
今回は重症化すると危険な急性膵炎について、症状の特徴や発症した場合の治療法・対処法を解説していきます。
急性膵炎によって生じる痛みは、みぞおちから左上腹部にかけて出ることが多いです。人によっては、上腹部に加えて背中の方にまで痛みの範囲が広がっていくこともあります。
また急性膵炎による痛みの程度や感じ方にも個人差が大きく、少々の疼痛で済む場合もあれば、じっとは耐えられないほどの圧痛を感じる人もいます。
突然症状が現れることもありますが、時間とともに進行し数日かけて重症化していくケースも多く、痛みの他に以下のような症状を発します。
上記の症状が複数当てはまり、背中を丸めるように横向きに寝ると痛みが軽減される場合は、急性膵炎を疑うべきでしょう。
なお、痛みに対する感受性が低下している高齢者や合併症を起こしている重症患者では、まれに痛みを感じないまま「無痛性急性膵炎」を発症することもあります。
無痛性の膵炎の場合、本人が痛みを訴えていないのに消化器の不調が出て、知らない間に炎症が進行するケースもあるので、注意が必要です。
急性膵炎の治療としては、膵臓を休ませて安静に保ち、炎症と痛みを抑えるために以下の治療が行われます。
中等度までの急性膵炎であれば、上記の治療を数日続ければ、ほとんどの人が回復します。
ただし、炎症が進行して周囲の臓器にまでダメージが及んでいたり、膵臓に壊死がみられる場合などは、患部に近い動脈から薬液が投与されるケースもあります。
急性膵炎を発症すると、上腹部から背中にかけての痛みの他、何時間も続く吐き気や嘔吐・食欲不振、膨満感、発熱などの症状が出ます。人によって痛みの出方や程度は異なり、なかには重症化しているのに痛みが出ないケースもあるので、注意が必要です。治療法としては、膵臓を休ませるための絶飲・絶食と、炎症と痛みを抑えるための投薬をするのが一般的です。ただし、治療法の選択は進行の程度や医師の判断によっても変わりますので、疑わしい症状が出てきたらすぐに病院に行ってください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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