脂質異常症対策のためのサプリ選びのポイント

2018/11/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

血液のなかの脂肪分濃度が高くなりすぎ、さまざまな疾病の原因となる脂質異常症。
糖尿病や高血圧と並び、3大生活習慣病に数えられる病気ですが、サプリで改善できるのでしょうか。
今回は、サプリの脂質異常症への改善効果の有無と、改善のためにサプリを飲む場合の注意点や選び方のコツを解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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サプリは脂質異常症対策に役立つ?

脂質異常症はかつて「高脂血症」とも呼ばれていた病気で、血中の脂肪分濃度を示す各値のうち、1つでも以下の基準値を上回ると診断されます。

脂質異常症の診断基準
  • LDL-コレステロール値…140mg/dL以上
  • HDL-コレステロール値…40mg/dL以上
  • トリグリセライド(中性脂肪)値…150mg/dL以上
    ※ただし、LDL-コレステロール値が139mg/dL未満でも、120mg/dL以上であれば「境界型」の脂質異常症であると診断されます。

脂質異常症になっても直ちに自覚症状が出ることはありませんが、少しずつ血管が傷つけられ、血管の硬化や狭窄・詰まりを招きやすい状態を引き起こします。
このため脂質異常症放っておくと、急に心筋梗塞や脳梗塞、狭心症など命にかかわる病気を発症する恐れがあるのです。

サプリのうち、脂質異常症に役立つと考えられている成分としては、以下の3つが注目されています。

  • 魚油(n-3系多価飽和脂肪酸)
  • 亜麻仁(亜麻仁油)
  • オーツ麦

脂質異常症のサプリ選びのポイントは?

ここからは、前項でご紹介した「魚油(n-3系多価飽和脂肪酸)」「亜麻仁(亜麻仁油)」「オーツ麦」のサプリ成分の効能と、合う人・合わない人の目安を解説します。

魚油(n-3系多価飽和脂肪酸)

効能
n-3系多価飽和脂肪酸により、脂質異常症で上昇する血中の脂肪分のうち「トリグリセライド(中性脂肪)値」を下げる作用が期待できる。
こんな人に合う!
  • 3つのコレステロール値のなかで、トリグリセライド(中性脂肪)値が特に高い人
  • 魚が嫌いで、食事から魚油を摂取するのが難しい人
  • 高血圧があって、心疾患の発症リスクが高い人
こんな人には合わない
  • 3つのコレステロール値のなかで、LDL-コレステロール値が特に高い人

亜麻仁(亜麻仁油)

効能
αリノレン酸により、「LDL-コレステロール値」をはじめ3つすべてのコレステロール値を下げる作用が期待できる。
こんな人に合う!
  • 3つのコレステロール値すべてが、同じくらい高い人
  • 便秘気味の人(便通が良くなる効果も貯め期待できるため)
こんな人には合わない
  • 特にないが、強いて言うなら亜麻仁や亜麻仁油の風味が苦手な人

オーツ麦

効能
βグルカンの食物粘度上昇作用により、「LDL-コレステロール値」を中心に総コレステロール値を下げる作用が期待できる。
こんな人に合う!
  • LDL-コレステロール値が高い人
  • 継続的にサプリを服用して、値を下げていきたい人
こんな人には合わない
  • 消化管閉塞がある、または起こしやすい人

おわりに:効果的な成分を選べば、サプリによる脂質異常症の改善は期待できる

サプリのなかには、脂質異常症の原因であるLDL・HDL・トリグリセライド(中性脂肪)の3つのコレステロール値を、下げる作用が期待できるものもあります。具体的には魚油(n-3系多価飽和脂肪酸)・亜麻仁(亜麻仁油)・オーツ麦の3つが該当し、それぞれの効能や特性を加味し、自分の状態に合うものを選ぶと良いでしょう。なお、サプリの利用前には必ず主治医に相談し、服用しても健康上問題がないか確認してくださいね。

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