記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
口臭の原因としては、不十分な歯磨きや虫歯、歯周病などがぱっと思い浮かびますが、「便秘になると口が臭くなる」なんて話も聞いたことはありませんか?今回はこの便秘からくる口臭について、対処法と併せて解説していきます。
口臭には、食べた物や虫歯、歯周病などの口内環境だけでなく、便秘とも深い関係があります。便が腸内に溜まっていくと、腸内環境が悪くなり大腸菌などの悪玉菌が増殖して便の腐敗を進め、有害なガスを発生させます。それが肺へと流れ、最終的に息となって口から流れだします。このことから、便秘による口臭は便のような独特の臭いがします。
特に女性の場合、もともと男性よりも筋力が弱く排便のための踏ん張る力が出しにくい上、無理なダイエットによる栄養不足、腸のぜん動運動を弱くさせる黄体ホルモンなど女性ホルモンのバランスの影響、ストレスによる自律神経の乱れなどが便秘を引き起こしやすくしています。
偏った食生活や水分不足は汗や体臭のもととなりますが、便秘も原因となります。体臭には食生活が関係する場合が多く、そのような体臭はアポクリン腺という汗腺から出る汗の成分が皮膚にいる高温多湿の環境で繁殖する雑菌と混じり合い発生します。この体臭は、食事内容に気をつけることで抑えることができます。
一方、便秘によってできた有害なガスは、胃や食道、気道へとげっぷのように逆流する場合があるほか、血液中にまで溶け込んでいき体全体を巡って汗とともに出ることがあります。その汗は便のような腐敗臭をともない、それが体臭となって臭います。体臭は自分ではなかなか気づきにくいため、日ごろから便秘や食生活について気をつけることが大切です。
腸内環境の悪化を原因とした口臭や体臭は、便秘を解消することで治すことができます。
便秘を改善するには、まず「食生活を見直す」ことです。規則正しく食事をとり、日常的に腸内環境を整える食物繊維や乳酸菌を多く含んだ食べ物をとるようにしましょう。特に、無理なダイエットで食事を抜くと便ができにくくなり腸の運動も起こりにくくなります。また同時に、1日1Lを目安に「水分をこまめにとる」ことも大切です。水を飲むと体が冷えるようなら、白湯も効果的です。
さらに適度な運動で腹筋など「筋肉をつける」と排便もスムーズになりますし、腸の四隅を狙って朝晩2回もみほぐすなど「腸マッサージ」を行い腸のぜん動運動をうながすことも排便を助けます。
そして「生活習慣の改善」を心がけ、腸の働きを低下させる睡眠不足や、忙しすぎて便意を我慢することがないよう気をつけることも大切です。便秘対策としては、朝はゆったり過ごし、便意がきたらすぐにトイレに行くのがポイントです。便意があっても出ないときには、前かがみの姿勢をとって直腸と肛門の角度を広げるなど工夫します。腸を活発にするために、入浴で体を温めてリラックスし副交感神経を働きやすくするのもよい方法です。
便秘がちだと、腸内環境が悪化して有害なガスを発生させ、それが肺を通って口臭を引き起こしたり、血液に溶け込んで汗とともに体臭を招いたりする場合があります。こうした食習慣、生活習慣を見直し、便秘を解消して口臭や体臭の改善につなげていきましょう。
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