記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/21 記事改定日: 2018/10/16
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、小児外科
中原 さおり 先生
特に女性に多い便秘のお悩み。運動不足や極端なダイエットなどさまざまな原因が考えられますが、特に「腸内環境の乱れ」が大きな原因のひとつといわれています。以降では便秘と腸内環境の関連性や、有効な便秘解消法についてお伝えしていきます。
そもそも腸内環境とは腸内の状態、具体的には腸内細菌のバランスのことです。私たちの大腸には100種類以上、100兆個に及ぶ数の細菌が存在するといわれており、大きく「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分けられます。
おおよそ「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」の割合であれば「腸内環境がいい」状態とされますが、このバランスが崩れて悪玉菌が優位になると「腸内環境が悪い」状態となり、腸の動きが停滞するようになります。その結果現れるのが、硬くてコロコロした便や、黒色で悪臭の強い便、そして便秘です。
「悪玉菌が優勢な腸内環境になると便秘が起きる」ということは、つまり悪玉菌を減らし、蠕動運動を活性化させる善玉菌を増やすことが、便秘解消のために重要になります。
では具体的にどんなことをすれば、善玉菌優位の腸内環境をつくりだせるのでしょうか?方法を以降でご紹介していきます。
乳酸菌は善玉菌の一種なので、摂取を続けることによって善玉菌優位の腸内環境に近づけることができます。乳酸菌はヨーグルトやキムチ、味噌などの発酵食品に多く含まれています。
ただ、乳酸菌は摂取しても便と一緒に排出されてしまうので、継続的な摂取が重要です。
食物繊維には、悪玉菌や腸内の有害物質を減らす作用があり、また腸内で分解されると善玉菌の餌になります。腸内の有害物質を排出しやすくする「水溶性食物繊維」と、腸にとどまり糖質の吸収をおだやかにする「不溶性食物繊維」の2種類があるので、どちらもバランスよく摂取しましょう。前者は海藻類やこんにゃく、りんご、後者はごぼうやきのこ類、玄米などに豊富に含まれています。
腸内細菌のバランス自体に働きかけるわけではありませんが、適度な運動は血流を促進し、自律神経にも良い影響を与えるので、腸の蠕動運動が活性化しやすくなります。ストレッチや30分程度のウォーキングなど、軽めの運動から習慣づけていきましょう。なお、腸に刺激となる腹筋も便秘解消におすすめの運動です。
起床時に便をS状結腸まで送るには、十分な睡眠をとることもかかせません。
腸内環境を整えることは、便秘解消の第一歩です。ここでは、食事から腸内環境を整えるためのおすすめレシピを3つご紹介します。
ぬか漬けは乳酸菌が豊富に含まれていて、腸内環境の改善にぴったりの食材です。単にぬか漬けを食べるだけでなく、工夫して洋風のおかずを作ってみましょう。
ジャガイモや茹でたり蒸したりして、適当にマッシュします。そこに、人参・きゅうりのぬか漬けを細かく刻んだものを投入して、マヨネーズ・塩コショウを加えてお好みに味付けしたら完成です。
おくらや長芋のネバネバには、胃や腸の粘膜を保護する作用があります。暴飲暴食気味で胃や腸の粘膜が荒れている人におすすめの主食メニューです。
長芋やすりおろし、おくらは茹でて細かく刻みます。そばを茹で、冷水で洗ったらお皿に盛り、長芋とおくらを乗せ、お好みのたれをかければ完成です。物足りない時はなめこや納豆などのなばねば食材や刻みのりをトッピングするのもいいですね。
大根のおろしには胃や腸に優しい消化酵素がいっぱい、ヨーグルトは乳酸菌の宝庫です。この二つを組み合わせて、デザートを楽しみながら腸内環境を整えましょう。
ヨーグルトは砂糖やはちみつなどとよく混ぜ合わせ甘みを出します。そこに、よく水分を切った大根おろしを添えれば完成です。
悪玉菌が優位な腸内環境になっていると、蠕動運動が鈍くなり、便秘がちになったり、黒くて硬い便が出たりするようになってしまいます。食事内容や運動量、睡眠習慣などを全般的に見直し、できるところから腸内環境を整える対策を実践していきましょう。
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