腸内フローラを改善するヨーグルトの選び方

2018/9/7

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

テレビのCMなどで、「ヨーグルトで腸内フローラを改善!」といったフレーズを聞いたことはありませんか?ヨーグルトには腸内環境を整える作用があるということは有名ですが、実はヨーグルトの選び方には注意が必要なのです。詳しくは以降で解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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ヨーグルトの「乳酸菌」には、合う合わないがある!?

腸内フローラを改善するにはヨーグルトを食べるといい、なんて話をよく聞きますが、実はヨーグルトに含まれる乳酸菌にはさまざまな種類があり、自分に合った菌が含まれているものでなければ、十分な改善効果を得られません

市販のヨーグルトに含まれる乳酸菌には、例えば以下のような種類があります。

  • ブルガリア菌2038株
  • N-1株
  • SBT2055株(ガゼリ菌SP株)
  • SBT2928株(ビフィズス菌SP株)
  • ラブレ菌
  • GCL1176株
  • クレモリスFC株

ヨーグルトにどの菌が含まれているかは、パッケージを見れば確認できます。なお、これら乳酸菌の種類によって機能は異なり、便秘解消効果のある乳酸菌、免疫力をアップさせる乳酸菌、花粉症予防に効果的な乳酸菌などさまざまです。

腸内フローラを改善させるヨーグルトを選ぶには?

自分の腸内環境に合ったヨーグルトを選ぶには、地道な作業ではありますが、いろいろな種類のヨーグルトを試しに食べてみるしかありません。おおよその目安ですが、同じヨーグルトを2週間食べ続けても特に体調の改善を感じないようであれば、別のヨーグルトを試してみるといいでしょう。自分に合っているかどうかの基準としては、「便通が改善されたか」「便の臭いが改善されたか」「肌の調子がよくなったか」といったポイントに注目してください。

腸内フローラを改善するには、ヨーグルトを毎日食べること

ヨーグルトによって取り入れた乳酸菌のほとんどは、胃酸などによって死滅してしまうため、生きて腸まで届くことはほぼないといわれています。そしてもし生きて届いたとしても、腸内の常在菌によって排除されてしまうため、乳酸菌は特に腸内に住み着きにくい菌とされています。

そのため、ヨーグルトは毎日継続して食べ続けることが大切です。なお、たくさん食べれば食べただけ乳酸菌の効果が多く得られるわけではなく、むしろ脂肪の過剰摂取につながってしまうので、適量(1日100~200g)を守って摂取しましょう。特に加糖のヨーグルトは、なるべく夕方までに食べるようにしてください。

また、乳酸菌を多く含むのはヨーグルトだけではありません。キムチなどの漬物や発酵食品にも豊富に含まれているので、これらの食べ物もバランスよく取り入れましょう。

おわりに:自分の腸内環境に合った乳酸菌選びを!

市販のヨーグルトにはさまざまな種類があるように、それらに含まれる乳酸菌にもさまざまな種類があります。腸内フローラを改善するには、自分の腸内細菌と相性のよい乳酸菌を選んで摂取することが大切なので、味の違いも楽しみながらひとつひとつのヨーグルトを試してみてください。

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