記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
空気の乾燥する冬は、肌のカサつきが気になる季節ですが、実は髪や頭皮も乾燥していることをご存知でしょうか。髪のパサつきやフケ、抜け毛を防ぐために知っておきたい、髪や頭皮の保湿方法をお伝えしていきます。
寒さが厳しい冬は湿度が20~30%になるうえ、室内も暖房で乾燥状態のため、肌や頭皮、髪の水分はどんどん奪われていきます。そうして乾燥した髪はちょっとした刺激で切れたり、枝毛になったり、また血行や水分が低下した頭皮が炎症を起こしてフケや抜け毛が出たりするようになります。
切れ毛や抜け毛、枝毛やフケ、パサつき…さまざまなトラブルを引き起こす髪の乾燥。では、保湿の際にはどんなヘアケアをしていけばいいのでしょうか?
石油系の界面活性剤入りのシャンプーなど、洗浄力の強いものは、頭皮の水分を保つのに必要な皮脂を奪ってしまう恐れがあります。空気が乾燥する季節になってきたら、洗浄力のマイルドなアミノ酸系シャンプーのほうが、石油系よりも界面活性剤の刺激が少ないのでおすすめです。
シャンプーの種類だけでなく、シャンプーのやり方を変えてみることも、ヘアトラブルを予防するためには重要です。
シャンプー後にトリートメントをつける方は多いかと思いますが、重要なのはそのつけ方です。まずトリートメントは、頭皮にはつけず毛先を中心に、手ぐしで髪全体にまんべんなくつけるようにしてください。少し時間をおいた後、ぬめりが少し残るくらいまで洗い流しましょう。
なお、髪がかなり傷んでしまっている場合は、シャンプー後の髪を軽くタオルで乾かした後にトリートメントをつけ、蒸しタオルかシャワーキャップをつけて5分程度置いてください。はがれたキューティクルを吸着させる効果が期待できます。
ドライヤーの熱を近距離で長時間当てていると、髪や頭皮の乾燥の原因になります。お風呂から上がったら、ほどよく髪が濡れているうちに洗い流さないトリートメントやホホバオイルをつけ、毛先でなく根元から中心に乾かすようにして、熱から髪を守りましょう。
また、ドライヤーの温風と冷風を交互に当てると、キューティクルが閉じてツヤが出やすくなります。
頭皮が乾燥すると新陳代謝や血行が悪化し、抜け毛やゴワつきの原因になります。そこでヘアオイルをつけた際に頭皮マッサージをすると、血行が促進され、髪のトラブルの改善が期待できます。
スキンケアとは違い、ついつい疎かにしがちなヘアケア。乾燥によって頭皮や髪のトラブルの増える冬だからこそ、しっかり保湿を行っていきましょう。
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