便秘がなかなか治らない!どうすれば解消できる?

2018/12/5

工藤 孝文 先生

記事監修医師

工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来

工藤 孝文 先生

数日に1度しか便が出ず、腹部の膨満感や腹痛・肌荒れなど、辛い症状を起こす便秘。
原因もわからず「仕方ない」と考えて改善しないまま、諦めている人も多いでしょう。
今回は便秘がなかなか治らない原因と、解消に効果的な方法をご紹介していきます。

便秘が治らないのはどうして?

便秘がなかなか治らず、慢性的に続いてしまう原因としては「過度な食事制限」「栄養バランスの乱れ」「排便習慣の乱れ」「ストレス」の4つが考えられます。

以下からは、4つそれぞれの原因について、詳しく解説していきます。

過度な食事制限による便秘
ダイエットなどで過度に食事制限を行うと、腸を動かすほどの量の便を作れなくなるため、便秘を起こしやすくなります。
栄養バランスの乱れによる便秘
食生活が乱れ、食事から摂る栄養素が偏ってくると悪玉菌が増加して腸内環境が悪化し、便秘や下痢などの排便異常を起こしやすくなります。
脂質や糖質の多いお菓子や油物をはじめ、食物繊維を多く含むゴボウや玄米などに食事が偏っても便秘を起こすので、注意が必要です。
排便習慣の乱れによる便秘
排便のきっかけとなる食事などの刺激や、決まった時間にトイレに座る習慣がないなどの理由で排便習慣が乱れると、便意を感じられなくなり便秘になることがあります。
ストレスによる便秘
長期間にわたり強いストレスを受け続けると、胃腸の働きを司る自律神経のバランスが乱れて、排便させるためのぜん動運動がうまくいかなくなります。
その結果うまく排便できなくなり、慢性的な便秘状態に陥ることが多々あります。

今度こそ便秘を治したい!どうすればいい?

ここからは、辛い便秘を本気で治したい人におすすめの便秘解消法を4つご紹介します。ご自身の便秘の原因に近いところから実践してください。

食事の内容を見直し、栄養の偏りをなくす

脂質や糖質過多、または食物繊維だけを多く摂るなど、腸内環境を悪化させて便秘を起こすような食生活を改め、栄養バランスの取れた食事に変えていきましょう。

便秘解消には、オリゴ糖や乳酸菌・食物繊維が豊富な以下のような食品を中心に、主菜・副菜・主食をバランスよく食べると効果的です。

  • オリゴ糖豊富なもの…バナナや豆乳
  • 乳酸菌豊富なもの…納豆、チーズ、ヨーグルト、キムチなどの発酵食品
  • 食物繊維豊富なもの…根菜やキノコ類、海藻類、玄米などの穀類、ナッツ類

生活習慣と環境を見直して、自律神経を整える

自律神経のバランスと排便の習慣が整うよう、以下のポイントに留意して生活習慣を改善し、ストレスフルな環境から抜け出す努力をしましょう。

  • 朝は早めに起きて、毎朝一定時間トイレに行く時間を確保する
  • 起床後はコップ1杯の白湯を10分以上かけて飲み、腸を動かすきっかけを作る
  • 食事は1日3回、できるだけ規則正しく食べて腸と自律神経を働かせる
  • 就寝の2時間前までに夕食や入浴は澄ませて、夜間に8時間以上良質な睡眠を摂る
  • しっかり休み、体内時計を整えることで自律神経のバランスも調整する
  • ストレスの原因からできるだけ離れ、自分なりの方法でこまめに発散する

運動をする習慣をつけて、おなか周りの筋肉を鍛える

筋力の不足や日中の運動不足も、便を押し出す力を弱くするため便秘の原因となります。

週に2~3回、1日あたり30分程度のウォーキングやサイクリング、軽めの筋トレなどを行っておなか周りの腸腰筋や腹筋を鍛えると、便秘が改善されます。

腸の動きを助けるマッサージをする

以下の方法で腸をマッサージするとぜん動運動が促されるので、便秘解消に効果的です。
食後3時間ほど、またはお風呂上りで体が温かくなっているときに行ってください。

便秘解消に効く腸マッサージ法

仰向けに寝て、リラックスした状態で右下腹部・右上腹部・左上腹部・左下腹部の順になるよう、指の腹でおなかをさすります。
この動きをおなかが苦しくなく、痛みを感じない程度の力で100回程度繰り返します。

おわりに:便秘は日々の習慣を改めていけば、確実に少しずつ改善できる

便秘のほとんどは、日ごろの生活や食事の習慣、日常的に受けているストレスなどが原因で引き起こされています。このため、普段の生活・食事の習慣とストレスの環境を見直すことで、少しずつではありますが改善できるのです。地道な治療ですが諦めず、この記事を参考に便秘解消に向けて取り組んでみてください。

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