インフルエンザで1週間熱が下がらないことはあるの?

2018/12/9

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

寒くなってくるとともに、感染・発症リスクが高くなってくるというインフルエンザ。
40℃近い高熱が代表的な症状ですが、発症から1週間以上経っても熱が下がらないことはあるのでしょうか。
今回は、インフルエンザの熱が1週間以上下がらない場合に考えられる原因をご紹介します。

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インフルエンザで1週間熱が下がらないことってある?

インフルエンザに感染すると、24時間程度で特徴的な全身の倦怠感や発熱の症状が出て、その後ウイルスが死滅するまでの約1週間、症状が続くとされます。

ウイルスの型によっても、インフルエンザによって現れる症状は異なりますが、いずれの型のウイルスでも発熱が続くのは1~3日程度と考えられています。
このため、インフルエンザウイルスが死滅するはずの1週間を超えても発熱が続いている場合は、何らかの合併症を引き起こしている可能性があります

インフルエンザからの合併症として多いのは、以下のような疾患です。

  • 気管支炎
  • 肺炎

その他、稀ですが発症することがあるのは以下の疾患です。

  • 心筋炎や心膜炎
  • 急性筋炎

1週間熱が下がらないときに考えられる原因は?

ここからは、インフルエンザがきっかけの発熱が1週間以上下がらない場合に考えられる原因を、合併症以外のものも含めてご紹介していきます。

あわせて、それぞれの病気を発症しているときに現れやすい特徴的な症状も解説しているので、見分けるときの参考にしてください。

肺炎・気管支炎・心筋炎などの合併症
インフルエンザウイルスの影響によって、0.5~0.6%程度の患者に生じる。特に体力・免疫力の弱い、高齢者に多い・息苦しさや痰、胸の痛みなどの症状が現れたら要注意。
二峰性発熱(にほうせいはつねつ)
一度下がった熱が、再び上がってくる症状が特徴的。B型インフルエンザの感染時や乳幼児に多いが、二度目の発熱も数日以内には治まる。
他のウイルス感染による風邪
インフルエンザで体が弱っているところに、他のウイルスが侵入して風邪を併発させた状態。高熱ではなく、微熱が続きやすいのが特徴。
副鼻腔炎
インフルエンザウイルスの感染がきっかけで、鼻に細菌の感染・炎症を起こし、鼻や目の奥痛みが出る。インフルエンザ患者の0.7%が発症するが、抗生物質での治療が可能。
中耳炎
インフルエンザ感染がきっかけで、耳の中で細菌感染と炎症が起こる。耳の痛みや微熱の症状が出るのが特徴的。

なお、上記はあくまで可能性の高い病気であり、1週間以上熱が下がらないときに、必ずしも当てはまるということではありません。
素人判断で治療や薬を飲むのは危険ですので、発熱が続くときは病院で診てもらいましょう。

おわりに:インフルエンザで1週間熱が下がらないなら、他の病気や合併症を起こしている可能性が高い!

一般的に、ヒトの体内に入ったインフルエンザウイルスは1週間程度で死滅するため、インフルエンザによる発熱の症状も1~3日程度しか続かないとされています。したがって、インフルエンザ発症から1週間以上経っても熱が下がらないときは、何らかの病気や感染症を併発している可能性が高いです。辛い状態を長引かせないためにも、発熱が続いておかしいと感じたら、すぐに病院に行って医師の診察・治療を受けてください。

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