インフルエンザの重症化は予防できる?どんな人がなりやすいの?

2018/11/26

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

主に冬に猛威を奮うインフルエンザは、毎年のニュースにもなるほど怖い疾患として知られています。インフルエンザそのものによる死亡はそれほど多いわけではありませんが、インフルエンザによって体の抵抗力が落ち、合併症を引き起こすと簡単に死につながる疾患になりえます。

インフルエンザが重症化しやすい人とはどんな人なのでしょうか?また、重症化の予防のためにどんなことができるのでしょうか?

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インフルエンザの重症化は予防できる?

インフルエンザは通常、免疫機構の働きが正常な人であれば1週間程度で治ります。しかし、呼吸器や心臓などに慢性の疾患を持つ人や免疫機能が低下している高齢者、免疫機能が未発達な幼児では重症化しやすく、最悪の場合は死に至ることもあります。

インフルエンザを重症化させないためには、以下の3つのポイントに気をつけて生活しましょう。

  • インフルエンザワクチンを接種する
  • 日常生活での健康管理や手洗い・うがいを欠かさない
  • 風邪かな?と思ったらすぐに病院にかかる

インフルエンザワクチンは、その年に流行するであろうインフルエンザが予測されて作られるものです。予防接種したからと言って100%インフルエンザにかからないとは言い切れませんが、かかるリスクや重症化のリスクは大幅に減らすことができます。現在日本で採用されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンと呼ばれており、感染力がないため、予防接種によってインフルエンザを発症することはありません。

日常生活の中では、まず普段からの健康管理が大切です。十分な栄養と睡眠をとることにより、免疫力を高めます。また、外から帰ったら手洗い・うがいをする、アルコールを含んだ消毒液で手を消毒するなど、衛生管理を徹底しましょう。

インフルエンザは飛沫感染・接触感染するウイルスです。感染している人の咳やくしゃみの飛沫を吸い込む、感染している人が触ったものに触った手で自分の目や鼻・口に触る、といった行為で感染します。ですから、感染している人にはできるだけ近づかないことはもちろん、万が一感染してしまったらマスクをつけ、咳やくしゃみは人がいない方向を向いてしましょう

インフルエンザが重症化しやすいのはどんな人?

インフルエンザが重症化しやすいのは、以下のような人であると言われています。

  • 65歳以上の高齢者
  • 5歳未満の小児
  • 肥満の人
  • 妊娠中の人
  • 基礎疾患のある人

高齢者や小児、肥満、妊娠中、いずれも免疫機能が低下している群であるといえます。肥満の人では脂肪細胞から分泌される「アディポネクチン」というホルモンの低下によって白血球が正常に増殖できなくなるため、免疫機能が低下することが知られています。

また、基礎疾患のある人も要注意です。呼吸器系(喘息など)や心疾患(先天性心疾患など)、代謝や腎機能障害、免疫機能不全などを発症している人は特にインフルエンザにかからないよう、細心の注意が必要です。

インフルエンザが重症化すると、どんな症状が出てくるの?

インフルエンザが重症化すると、気管支炎や肺炎を引き起こします。特に、小児では中耳炎や熱性けいれん、急性脳症を発症する恐れがあります。急性脳症は非常に危険な状態で、発熱後、数時間から1日以内にけいれんや意識障害・異常行動などの神経症状が現れます。

インフルエンザ脳症ってどんな症状?

インフルエンザによる急性脳症を発症するのは、主に1〜5歳の幼児です。この年齡では脳症ではない熱性けいれんを引き起こすことも多く、判別が難しいことが多いですが、逆にけいれんがあったからといって全てが脳症とは限りません。

インフルエンザから脳症になる原因は不明ですが、突然の高熱から昏睡などの意識障害に至り、短期間で全身の症状が悪化します。最悪の場合死に至ることもありますが有効な治療法もなく、あくまで対症療法のみとなるため、脳症にまで進行しないよう、ワクチン接種や感染経路を断つなど予防が大切です。

インフルエンザウイルス関連細菌性肺炎ってどんな症状?

インフルエンザによって引き起こされる合併症でもう一つ恐ろしいのが、肺炎を引き起こす場合です。こちらは特に65歳以上の高齢者で多く見られ、インフルエンザの発症中に細菌性肺炎を併発する場合と、インフルエンザが一旦快癒した数日後に細菌性肺炎を続発するものがあります

症状は発熱・咳・黄色い痰などが自覚症状として現れます。しかし、これらの症状はインフルエンザそのものと同じであるため、肺炎とはなかなか気づかず、重症化してしまう場合が多く見られます。特に、肺炎は高齢者の死亡原因の上位を占めている疾患ですから、油断は禁物です。早めに病院で診察を受け、インフルエンザだけでなく肺炎に対しても抗菌薬を使った積極的な治療を行うことが必要です。

おわりに:インフルエンザは「治療」ではなく「予防」が大切な疾患

インフルエンザは、治療することのできる疾患ではあるものの、一度発症してしまうと恐ろしい合併症を引き起こす原因になり得ます。また、インフルエンザ自体も長引くことがあり、免疫機能の低下、体力の低下を招きます。

そこで、インフルエンザにかからない、またはかかっても重症化させないための予防が大切です。インフルエンザワクチンを打つのはもちろんのこと、マスクや手洗い・うがいを毎日の習慣にしましょう。

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