記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
トイレに行って用を足したら、鮮血が…。非常にショッキングな光景ではありますが、こういった目で見て明らかな血尿は、何が原因で引き起こされるものなのでしょうか。痛みがある場合、ない場合、それぞれに分けてお話していきます。
目で見て尿の中に血が混じっていることがわかる状態を肉眼的血尿といいます。肉眼的血尿には、排尿時痛などの自覚症状がある症候性肉眼的血尿と、血尿以外に症状が見られない無症候性肉眼的血尿があります。
このうち無症候性肉眼的血尿は、腎炎などの非悪性疾患や、腎臓や尿道などの排尿に関わる臓器に悪性疾患が原因で起こります。非悪性疾患の具体例としては、膀胱炎や尿道の腫瘍、尿管結石、ストレスなどが挙げられます。
一方の悪性疾患では、腎臓がんや前立腺がんなどで血尿が見られます。腎がんでは血尿以外に横腹が腫れたり痛んだりするなどの症状がよく見られます。前立腺がんでは血尿以外の症状がみられることは稀で、特に初期では検査で偶然見つかることが多いでしょう。
がんではないものの、膀胱に腫瘍ができた場合にも血尿が見られます。この場合、数日血尿が続いた後で症状が治まることがあります。しかし、病気そのものは治ったわけでなく、悪化して治療に時間がかかる例もみられているため、血尿が確認できたときには早めの受診を心がけましょう。
真っ赤な血尿とともに痛みがある場合に考える疾患には、腎臓や尿管、膀胱の結石があります。腎臓に結石ができた場合には、腎盂から尿管へ移動するときに粘膜が傷ついて出血します。尿道に結石がはまってしまうと作られた尿をせき止めてしまうため、激しい痛みが伴います。この場合、わき腹が痛むことが多いでしょう。
膀胱炎や尿道炎、前立腺炎の場合は、排尿時や直後に痛みが見られます。この場合には、大腸菌などに感染して粘膜が傷ついて血尿となります。
正常な状態では、尿に血が混じることはありません。目で見て血尿が確認できる場合には、何らかの異常が体に起きています。まず、泌尿器科を受診し検査をしてもらいましょう。
泌尿器科では、尿検査のほかに超音波検査が行われます。がんや尿路結石などは超音波検査で確認することができます。必要性に応じて、CTやMRI、採血、膀胱鏡を使用した検査などを行い、血尿の原因がどこにあるかを調べます。仮にがんが発見されたとしても、早めに発見することができれば体の負担が少ない状態で治療を進めることができます。
血尿に気付いたら放置せず早めに受診するようにしましょう。
尿に血が混じるという状態は、体に異常が起こっているサインです。血尿以外の症状が見られない場合や数日して症状が落ち着いたとしても、体の中では病気が進行してしまうことがあります。また、血尿はがんの症状のひとつでもあるため、早めに受診して早期発見・早期治療につなげることが大切です。血尿が見られたときには、早めに泌尿器科を受診しましょう。
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