健康診断で「血尿が出てる」といわれた…。可能性がある病気は?

2018/12/4

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

血が混じった尿が出る「血尿」は、見過ごしてはいけない病気のサインです。健康診断で指摘されたりトイレで異常に気づいたりしたら、体が何らかの不調を訴えている可能性が高いでしょう。この記事では血尿が出たときに疑われる病気について紹介します。

血尿とは

血尿とは、血液(赤血球)が混じっている尿を指します。尿中に血液がみとめられると、尿をつくる腎臓や泌尿器系の病気が疑われます。

血尿は、男性に比べて女性に多くみられます。また年齢が高くなるほど血尿が増えるため、高齢の女性に血尿が発生することが多いです。

尿が赤いなど目で見て判断できる血尿は「肉眼的血尿」と呼び、尿検査をしなければわからないものは「顕微鏡的血尿」といいます。血尿の8割以上が肉眼的血尿です。ただし血尿による色の変化はさまざまで、必ずしも赤いとは限りません。

血尿でみられる色の変化

  • 赤みが強く、血液の色が強く出る
  • ピンクがかっている
  • いつもより茶色っぽくみえる
  • ほとんど変化がない

色の変化が目立たないからといって、不調の程度が弱いとはいえません。肉眼ではわからない顕微鏡的血尿でも、重大な病気のサインの可能性があります。

血尿が出る病気ってどんなものがあるの?

血尿には突然発生するもの、長期的に続くものなどがあります。急な血尿がみられる場合には、以下の病気が考えられます。

突然の血尿で考えられる病気

結石(腎結石・尿管結石)
腎臓で作られた尿は、膀胱にためられます。腎臓から膀胱への通り道に結石ができると、腰や脇腹の激しい痛み、突然の血尿、排尿時の痛み、頻尿、残尿感などの症状があらわれます。高熱がみられたら尿管結石による感染を引き起こしているおそれがあり、早めの受診が必要です。ただし症状がない結石もあります。
膀胱炎
細菌やウイルスなどによって膀胱に炎症が起きる病気です。女性に比較的多くみられます。頻尿や排尿時の痛み、残尿感がみられますが、悪化すると尿が濁る、血尿が出るといった症状が出ます。
ケガ
衝突や転倒で外傷を負った場合、血尿が発生することがあります。自動車事故で腰を強く打ったあとに血尿がみられたケースが報告されています。
運動による横紋筋融解症
激しい運動後に筋肉組織が壊れ、血液中に筋肉の成分(ミオグロビン)が流れ出る病気です。「横紋筋融解症」と呼ばれ、赤褐色の尿が出ます。そのほか手足の筋肉痛、筋力の低下、痺れ、脱力などの症状があらわれます。

血尿がずっと続いている場合

血尿が長く続く場合、がんや腎炎を発症しているおそれがありますので、原因をしっかりと調べて治療を開始しましょう。

がん
腎臓や膀胱に発生したがんによって血尿が発生することもあります。血尿が長く続く、膀胱炎に似た症状が治まらないなどの症状があらわれますので、異常を感じたらすぐに病院を受診しましょう。
腎炎
腎臓に炎症が起き、腎機能に影響がみられます。血尿やたんぱく尿があらわれますが、腎炎は初期症状がなく、血尿も肉眼では確認できないことがほとんどです。急性腎炎の場合も自覚症状はあまりみられずに病気が進行しますが、血尿やたんぱく尿、血圧上昇、腹痛、吐き気、だるさ、むくみなどのさまざまな症状が発生します。

排尿時に毎回血尿がみられなくても、繰り返す血尿は重大な病気のサインかもしれません。泌尿器科または内科を受診し、いつから血尿がみられるか、血尿以外に不調を感じているかなど、体の様子を医師に伝えてください。
一般的な検査としては、尿検査や超音波検査で原因を調べます。超音波検査は結石の有無を調べるのに有効です。そのほかの病気が疑われた場合、採血やMRI検査、膀胱鏡を使用した検査などで原因を特定します。

おわりに:尿の色や頻尿など「あれ?」と思ったらすぐに受診を

血尿にはさまざまな病気の可能性がひそんでいます。いつもと違う尿の色、頻尿や残尿感といった泌尿器系の症状があらわれたらすぐに医師に相談してください。自覚症状がない病気もありますので、健康診断や人間ドックで異常を指摘された場合も速やかに再検査を受けましょう。

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