記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
冬はインフルエンザの流行の季節です。予防注射をしていても、マスクや手洗い・うがいをしていても、どうしてもかかってしまうときはありますよね。
もしインフルエンザにかかってしまったら、会社や学校に診断書を提出する必要があることがあります。では、診断書を提出しなくてはならない場合とはどんなときでしょうか?また、診断書作成にかかる費用はどのくらいなのでしょうか?
インフルエンザに限らず、診断書をもらうときには文書を書いてもらうための費用がかかりますが、その金額には健康保険が適用されないため、全額自費で支払う必要があります。医療機関によって費用はさまざまですが、だいたいの相場は3,000〜5,000円ぐらいです。
また、診断書の内容は2種類あります。「インフルエンザを発症したので休養が必要である」という内容の診断書と、「インフルエンザは完治したので会社や学校に出勤・出席して問題ない」という内容の診断書です。このどちらか、または両方が必要になるのかは会社・学校の規定によりますので、事前にどちらが必要なのかはしっかり確認しておきましょう。
「インフルエンザを発症したので休養が必要である」という内容の診断書の場合、現在インフルエンザを発症しているということ、いつまで会社や学校を休んで自宅療養が必要であるかということ、の2点が記載されます。「インフルエンザは完治したので会社や学校に出勤・出席して問題ない」という内容の診断書の場合、インフルエンザを発症していたということ、現在は完治しており出勤・出席に問題がないこと、の2点が記載されます。
通常、診断書が必要な場合でも、「発症」「完治」の2種類とも必要になることはあまりありません。診断書は決して安いものではないため、どちらが必要なのかは会社や学校に確認しておきましょう。また、診断書を書いてもらう必要がある場合は、どちらの診断書が必要なのかも含めて診察の初めにきちんと話しておくことが大切です。
まず、学生がインフルエンザを発症した場合は、学校保健安全法において「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで学校に登校してはならない」という規則が設けられており、強制的に出席停止となります。この場合、診断書が必要かどうかは個々の学校の規定により、平常の授業期間なのか、定期考査中なのかで扱いが違うところもありますので、通っている学校に確認しましょう。
社会人の場合、実は明確な法規定はありません。そこで、インフルエンザでも社員を出勤させるかどうかは個々の会社の良心に委ねられている状態です。ただし、インフルエンザは流行を発症している社員を出勤させても本人も仕事ができないばかりか、周囲にウイルスを蔓延させてしまうおそれがあるため、インフルエンザとわかったら出勤はさせない会社が多いようです。
ただし、この出勤しない期間の扱われ方は会社によって異なります。具体的には、以下のように分けられます。
まず、最も一般的な対応といえるのが「病気休暇」として扱う場合です。病気休暇とは、インフルエンザをはじめ、さまざまな疾患やけがなど身体的な不調が原因で就労が不可能であると判断された場合に、欠勤とは別に適用される休暇です。欠勤とは違うため、査定などでマイナスに響くこともなく安心して休むことができますが、有給ではありませんので、休暇中の給料が支給されるかどうかは会社の規定によります。
インフルエンザによる出勤停止の場合も、上記とほぼ同じ対応となります。会社側から出勤するなと命令することになりますので、査定にはもちろん響きませんが、やはり有給とは違いますので、出勤停止中の給料が支給されるかどうかは会社の規定によります。
有給休暇を使って賄う場合、やはり欠勤になって査定に響いたりすることはありませんが、有給休暇の取り方を事前に確認しておく必要があります。当日に有給休暇を突然申し出ても認められないという会社も一部ありますので、インフルエンザにかかる前にきちんと会社の規定を確認しておきましょう。
残念ながら、上記のどれにも当てはまらない場合は欠勤扱いとなり、査定などに響くことも考えられます。
このうち、診断書が必要となるのは「病気休暇」「インフルエンザによる出勤停止」の場合です。これらの場合は、「疾患を発症している」という明確な証拠が必要となりますので、医師の判断によってインフルエンザであると診断された旨を証明する必要があるためです。有給休暇を使う場合や、欠勤とする場合はまず診断書は必要ありません。
診断書が必要な「病気休暇」「インフルエンザによる出勤停止」の場合、提出は休暇明けの出勤日またはその次の日が一般的です。休暇中に提出する必要はないため、診断書に記載された期間はゆっくり病気を治すことに専念しましょう。
ただし、病院の都合などもありますので、インフルエンザと診断されたらその日に貰っておくのが確実でしょう。もしもらい忘れてしまった、または診断書が必要かどうか知らなかった場合、会社や学校から提出するよういわれてからでも診断書をもらうことはできます。
インフルエンザの診断書は、医療機関によりますがだいたい3,000〜5,000円程度としているところが多いです。また、よくある誤解として、インフルエンザにかかったら必ず診断書を提出しなくてはならないと思いこんでいる人も多いでしょう。
しかし、診断書は時と場合により、提出が必要な場合と必要でない場合もあります。自分の通う先の規定をよく確認し、必要な場合にはきちんと診断書をもらって休養しましょう。
この記事の続きはこちら