揺さぶられっ子症候群をさけて、赤ちゃんと安全に遊ぶ

2017/4/7

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

赤ちゃんを空中に投げたり、頻繁にひっくり返したりしていませんか?両親の手を借りてアクロバットのような体験をすると、赤ちゃんは楽しくて大喜びするかもしれません。でも、こうした遊びが、場合によっては赤ちゃんに取り返しのつかない後遺症を与えてしまうことも。ここでは、赤ちゃんを揺さぶりすぎが原因で起こる症状「揺さぶられっこ症候群」についてご紹介します。

揺さぶられっ子症候群とは

「揺さぶられっ子症候群」とは、赤ちゃんを激しく振り回したり、頭部を激しく動かしたりすることで、脳が頭蓋骨にぶつかり、腫れ、出血を引き起こす症状です。場合によっては、視神経や視力の障害を引き起こしたり、重傷を負ったり、場合によっては命を落とす可能性もあります。

赤ちゃんの頭は体に比例して重くて、頚部(けいぶ・首の部分)の筋肉がまだ発達しきっていないため、首で頭を十分に支えることができません。また、内臓や脳、そしてこれらを包む筋肉もまだ発達途上のため、このような症状が起こります。

「激しい」かどうかの目安は?

赤ちゃんの脳や首は成長途中なので、頭や首を揺さぶったり、上下に跳ね返ったりする遊びは一切厳重に禁止してください。赤ちゃんが喜んだとしても、赤ちゃんを空中にほうり投げてキャッチするような遊び(高い高い)は絶対にしてはいけません。

また、赤ちゃんを抱っこ紐などでおぶったまま走ることもしないでください。こうすると、赤ちゃんの頭が大人の交通事故の「ムチ打ち」状態になります。赤ちゃんと一緒に行動するときは、できれば時間に余裕を持って動く必要がありますが、どうしても走らなければならないときは、頭を固定し(首を締め付けないように気をつけてください)、ベビーカーに乗せて走るようにしてください。

遊びにしても、叱るにしても、絶対に赤ちゃんを強く揺らぶらさないようにしましょう。家族や友人など、ほかの人にも揺さぶらせないようにしてください。もし、高いところを見せたいときは、赤ちゃんをしっかりと抱いたままでやる飛行機ごっこなど、体の負担をかけない遊びにしてください。

過去に激しく揺さぶった経験がある場合

過去に激しく揺さぶったり、振り回していたとしても、現時点で特に症状が出ていなければ、心配する必要はないかもしれません。ですが、まだ目に見える症状が現れていないだけ、ということも考えられます。気がかりな場合や、急に頭痛や吐き気を訴えるようなことがあれば、急いで医師に連絡してください。

おわりに:リスクのない遊びで赤ちゃんを楽しませよう

いかがでしたか?赤ちゃんは全身を使って遊ぶのが大好きなので、自分の体が浮いたり、くるくると回ったりするようなことをさせると大喜びするかもしれません。でも、赤ちゃんの笑顔がもっと見たい一心でこうした動きを何度もやっていると、後遺症が残るようなダメージを与える可能性があります。赤ちゃんの発育状態も考えながら、一緒に遊びましょう。

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