コレステロールとは、どんな役割をもつ物質? LDL、HDLの違いは?

2018/12/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肥満や動脈硬化の話では、必ずといっていいほど出てくる「コレステロール」という言葉。ただ、よく聞く言葉でも、なんとなくの意味しかわからない…という方も多いのではないでしょうか。今回はこのコレステロールの担う役割や、LDLコレステロール、HDLコレステロールの違いなど、基礎的な情報をお届けしていきます。

コレステロールとは?どんな役割をもつ物質?

コレステロールとは、脂質に分類される有機化合物の一種です。「コレステロール=太る原因物質」などとネガティブなイメージを持たれがちですが、体の細胞膜(細胞の外側と内側を仕切る膜。細胞内に必要な栄養素を取り込んだり、イオン濃度を調整したりと細胞自体を活性化させる役割を担う)を作るという重要な役割を担っています。

またこのほかにも、性ホルモンや副腎皮質ホルモンをつくったり、脂肪の消化・吸収を助ける胆汁の原料になったりと、生命維持をする上で欠かせない働きをしています。

LDLコレステロール、HDLコレステロールとは?

血液検査の結果表などに記載される「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」とありますが、厳密にいうと異なる種類のコレステロールがあるのではありません。コレステロールを運ぶ物質の種類が違うという話で、おおまかにいえば「血液内の移動でどこに届けられるか」の違いで呼び分けられています。しかし、便宜的に以下のように用語を用います。

  • LDLコレステロール(悪玉):肝臓に蓄積されたコレステロールを全身の細胞に届ける
  • HDLコレステロール(善玉):全身の細胞から余分なコレステロールを回収し、肝臓に届ける

なお、コレステロールは水に溶けないため、血液中ではタンパク質と結合して「リポタンパク質」の状態で流れているのですが、このリポタンパク質の種類もLDLとHDLで異なります。LDLコレステロールは低密度リポタンパク(Low Density Lipoprotein)の頭文字からLDL、HDLコレステロールは高密度リポタンパク(High Density Lipoprotein)の頭文字からHDL、とそれぞれ呼ばれています。

LDLコレステロールはなぜ「悪玉」と呼ばれるの?

LDLコレステロールが「悪玉」と呼ばれる理由の1つめは、余分なコレステロールを回収してくれるHDLと違い、コレステロールを運ぶだけで回収する作用がないからです。またもう1つの理由として、LDLコレステロールが運ばれる間に血管壁の脆い部分から入り込み蓄積されると、血管が狭まり動脈硬化を促進してしまうため、悪玉と呼ばれています。

中性脂肪とコレステロールの関係は?

コレステロールの話をするとき、よくセットで「中性脂肪」の話も出てきますが、そもそも中性脂肪とは何なのでしょうか。

中性脂肪とは、肝臓で作られた後に脂肪細胞内で蓄えられる貯蔵用のエネルギーで、必要に応じて脂肪酸に変化し、活動用のエネルギーとして使われます。しかしエネルギーに変換されなかった中性脂肪は、HDL(善玉)コレステロールを減らし、LDL(悪玉)コレステロールを増やす原因となり、その結果血管にLDLコレステロールが付着して動脈硬化を招くという、健康上のリスクになります。さらに、中性脂肪が増えると脂質代謝に異常が生じ、LDLコレステロールが小型化した「超悪玉コレステロール」になることで、血管壁にさらに侵入しやすくなることもわかっています。

おわりに:コレステロールは生きていくうえで重要な物質である一方、重大な病変も招く物質

「コレステロール=悪」というイメージをもたれがちですが、必ずしもそうではありません。コレステロールには善玉と悪玉があり、また生きていくうえでも欠かせない重要な役割を複数担っています。ただ、悪玉コレステロールが蓄積されると動脈硬化を招き、命を落とすことにもつながりかねません。中性脂肪の数値と併せて、毎年の健康診断ではコレステロールの数値にもよくよく注意しましょう。

この記事に含まれるキーワード

動脈硬化(85) HDLコレステロール(7) 中性脂肪(22) コレステロール(30) LDLコレステロール(13) 悪玉コレステロール(5)