心臓の心エコー検査でわかることは?所要時間はどのくらい?

2018/12/17 記事改定日: 2020/7/21
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

健康診断や人間ドックのときに、心臓のエコー検査を行うことがありますよね。今回はこの心臓のエコー検査ではどんなことがわかるのか、検査の手順や所要時間と併せて解説します。また、検査前の食事や当日の服装についてのアドバイスも紹介します。

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心エコー検査で調べることやメリットとは?

「心エコー検査(心臓超音波検査)」とは、超音波を心臓にあて、返ってくるエコー(反射波)によって心臓の様子を画像に映し出す検査です。主な目的は2つで、ひとつは心臓の形の異常のあるなしの診断、もうひとつは心臓の働きの状態を見ることです。

X線(レントゲン)撮影などのように放射線による被曝の心配がなく、繰り返しても安全に行える検査で、常に拍動している心臓の状態をその場でそのまま観察することができます。

心臓は左心室、右心室、左心房、右心房の4つの部屋と逆流を防ぐための4つの弁からできていますが、心房や心室の大きさ、壁の厚さや動き、弁の形や動き、血流の速度や心臓内の圧力などから、下記の疾患の発見や状態の診断が可能です。

  • 心肥大
  • 心拡大
  • 拡張型心筋症
  • 各種の弁膜症
  • 心筋梗塞
  • 先天性の心臓病

また、心臓病の診断だけでなく、治療方法の選択、効果の判定、手術前の心機能評価などにも利用されています。

エコー検査の仕組みってどうなっているの?

超音波とは、人が聞くことができない高い周波数の音波です。エコー検査は、この高い音を臓器に当てて、体内組織の反射度がそれぞれ違うことを利用し、跳ね返ってきた反射を画像データとして処理して観察します。超音波を発生させると、ごく短い時間のうちにその音は対象となる体の中を進んでいきます。

気体中は伝わりにくく、肝臓や脂肪、筋肉はよく伝わり、骨は全く伝わらず反射します。組織の性格が変わる場所では散乱なども起こりますが、超音波を発生させてから戻ってきた時間を計測することで、その場所を検知することができます。

肋骨の間を通したり、肋弓下からのぞくなどして臓器を診ながら、血流など動きのあるものに対してはドップラー効果(波長は音波の発生源が向かってくると短く遠ざかると長くなる)を利用して動いている方向を調べ、心臓の拍出量や血流の逆流の有無などを診ることができます。

心エコー検査の手順は?検査前に食事や服装など準備は?

心エコー検査では、上半身のみ肌の見える状態でベッドに横になり、心電図をとりながら行います。そのため前胸部や手首と足首に電極をとりつけ、超音波の通過をよくするために胸部に機械と皮膚の間にすき間をつくらないためのゼリー剤を塗ります。

そしてプローブ(探触子)とよばれる超音波の機械をゼリー剤の上から皮膚にぴったりと密着させ、肋骨のすき間に沿うように押し当てたり移動させたりして心臓の様子を観察していきます。プローブは画像モニターに繋がっており、その場で診断ができます。

検査にかかる時間はおおむね30分から1時間程度ですが、病気の種類や状態によって変わります。検査終了後には、短時間で検査担当医師による再確認を行います。妊娠中の人や乳児でも安心して受けることができる検査です。

心エコー検査はどんな服装で受けた方がいい?

心エコー検査は手首と足首に心電図を記録するための電極を取り付け、露出した胸部にプローブを当てながら行うため、検査当日は脱ぎ着しやすい服装にしましょう。前開きの検査着が用意される医療機関もありますが、短時間で脱ぎ着できる前開きのシャツなどがおすすめです。長いネックレスなどのアクセサリーは控えた方が無難でしょう。

また、検査で塗るゼリー剤は、検査後に拭き取ってもらえますが、衣類に付着してしまうこともあるので、万が一のことを考えて汚れが目立たない、洗濯しやすいものを選ぶようにしましょう。

検査前後の食事制限はあるの?

肝臓や胆のうなどの消化管のエコー検査では食事後などに観察がしにくくなるため、基本的には空腹時に行うことが望ましいとされていますが、心臓は食事によって見えにくくなったり、機能が変化したりすることはないため、一般的には、心エコー検査前後の食事に関して特別な制限はありません

おわりに:さまざまな心疾患の発見に役立つ心エコー検査

心エコー検査では、超音波を心臓にあて返ってくるエコー(反射波)による画像を通じて、拍動している心臓の状態をその場で観察することができます。これにより、心臓の形状や動き、血流の状態を知り、さまざまな心疾患の発見や状態の診断が可能です。

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