記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
セカンドオピニオンとは、自分の病気についての診断や今後の治療方針について、主治医以外の医師から客観的な意見をもらうための制度です。こう聞くといい制度のように思えるかもしれませんが、実はデメリットもあるのです。この記事では、セカンドオピニオンのデメリットについて解説したいと思います。
自身の体調について受けた診断や、今後の治療方針について、客観的に意見をもらうために利用するのがセカンドオピニオンです。「セカンド」は直訳すれば「第二の」という意味です。病院のホームページでセカンドオピニオンの受け入れについて記載されているところも見かけます。現代では、比較的受け入れられている制度ではないかと思います。
ただ、やみくもにセカンドオピニオンを聞くことにデメリットはないのでしょうか。
セカンドオピニオンは、ひとつの医療機関で受けた診断や治療方針について、他の医師からも意見を聞くものですが、最初の診断や治療方針に対して納得ができない場合に受ける、という人もいるでしょう。良くも悪くも医療に関係する情報があふれている現代では、自分が期待する結果ではないために、別の医療機関をたずねる人もいるかもしれません。しかし、セカンドオピニオンを受けても、自分の希望にかなった意見を聞けるとは限りません。
以上のように、必ずしも自身の病状についてポジティブな情報だけが得られるわけではありません。また、紹介状や検査内容を持参する際には費用もかかりますし、遠方の病院に行く場合には交通費がかかったり、実際に受診できるまでに長時間待たなければいけなかったりすることもあります。
セカンドオピニオンにはデメリットがあることも理解した上で利用する必要があるのです。
デメリットもあるセカンドオピニオンですが、一方で受けることで得られるメリットもあります。セカンドオピニオンを受けて、主治医と同じ意見が得られれば信頼性が高まり、より前向きに治療を受けられるかもしれません。また、診断については主治医と同じでも、治療方針については異なる意見が得られることもあります。
たとえば、すぐに入院が必要なのか、通院をしながら治療が続けられるのかどうかでも、仕事や生活のスタイルを選択することができるかも知れません。そして、もし万が一、主治医の見解が間違っていたときには、治療のリスクを回避できる可能性もあります。
納得のいくセカンドオピニオンを受けるためには、事前にいくつかの情報を準備しておくことや、整理しておくことが必要です。
まず持参するものとしては「主治医からの紹介状」と「各種検査結果」があります。主治医からの紹介状は、主治医が診察してきた経過や診断内容、今後の治療方針などをまとめたもので、セカンドオピニオンを担当する医師に向けた手紙のようなものです。
また、診断の根拠となった検査結果を持参することも大切です。CTやMRIといった画像データや、対象となる臓器の組織を顕微鏡で評価したり、遺伝子解析を行った病理検査結果などがあります。
いずれも、改めて検査をするには時間がかかったり、費用がかかるものでもあります。もちろん、必要であると判断されれば、改めて検査を行うことはあるでしょう。
また、医師の診察時間には限りがあります。せっかくセカンドオピニオンを受けたのに、その場で質問事項を考えていては、肝心のことを聞き忘れることもあります。事前に不安なことや確認しておきたいことをまとめておく、といった準備をしておくと良いでしょう。
セカンドオピニオンは、一度受けた診断や治療方針などについて、客観的に意見をもらうことです。複数の医師の意見を聞くことによるデメリットもありますが、より安心して治療を受けることにもつながります。事前に資料や、質問事項を準備して、セカンドオピニオンを有意義なものにしましょう。
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