心臓CT検査の手順や所要時間は?どんなことがわかるの?

2018/12/16 記事改定日: 2020/6/22
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

心臓に異常や病気の疑いがみつかったとき、心臓CT検査をすすめられることがあります。
CTを使った心臓の検査とは具体的に何をするのか、痛みや苦痛はないのか、受ける前にあらかじめ知っておきたいですよね。今回は心臓CTについて、検査の流れや何がわかるのか、詳しく解説します。

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心臓CT検査でどんなことがわかるの?

CTとは「Computed Tomography」の略で、全方向からX線を当ててコンピュータ処理することで、人体を三次元で画像化できる検査機器のことです。人体を輪切りのようにして観察できるため、レントゲンでは見えにくかった脳や内臓など、全身の病状を検査・観察するために使われています。

とくに心臓CT検査では、心臓にある冠動脈という血管を中心に観察するため、冠動脈に異常や病気が疑われる場合や、病気治療後の経過観察で実施されることが多いです。患者にかける負担の少ない低侵襲の検査方法で、外来で受けられるのが大きなメリットです。

従来は、CTで常に動いている心臓の様子を正確に撮影することは難しいとされてきましたが、スキャン高速化とデータ収集法の改善によって可能になりました。近年では、心電図にあわせて画像を撮影する「ヘリカルスキャン」という方法が一般的になり、静止した心臓の三次元画像を得られるようになっています。

心臓CT検査でわかること
  • 冠動脈が細くなったり詰まったりしていないか、心臓全体に異常がないかを判断する
  • 狭心症、心筋梗塞、虚血性心疾患などの心臓疾患を早期発見

心臓CT検査と心臓カテーテル検査の違いは?

心臓CT検査が一般的になる前は、心臓や冠動脈を検査する方法として心臓カテーテル検査が頻繁に用いられていました。

心臓カテーテル検査
  • 太ももや腕にある太い動脈からカテーテル(細い管)を挿入し、そこから冠動脈まで造影剤という薬剤を投入したうえで、胸部をX線撮影する検査方法
  • 基本的には合併症を起こすリスクが少ない検査方法であるものの、血管に管と薬剤を挿入するため、検査を受けるには安静と入院が必要
心臓CT検査
  • 体にX線を当ててコンピュータ処理し、全身の病状を検査・観察する検査方法
  • 患者の体への負担が少なく、外来で受けられる

このように、心臓カテーテル検査は安全性が高い反面、体への医療器具を入れるため、検査のために安静・入院が必要となります。体に触れず、外来で検査を受けられる心臓CT検査とはこの点で違いがあります。

心臓CT検査の手順や所要時間は?

ここからは、心臓CT検査の流れをご紹介します。

心臓CT検査の流れ

  1. 検査予定時刻の3時間ほど前から絶食したうえで来院する
    (ただし、検査直前まで水分は自由に摂ることができます)
  2. 検査に適した状態であるかを確認するため、血圧と心拍数を測定する
  3. 心拍数が早すぎる場合は、一時的に心拍数を下げるβブロッカーを服用する
  4. 着替えをして検査室に入ったら、肘の静脈から造影剤を注入する
  5. 検査は心拍数を測りながら行うため、心電図を取り付けて準備する
  6. 撮影しやすくするため、血管を拡張するニトログリセリンスプレーを舌下に噴射する
  7. 造影剤の注入を続けながら10秒ほど息を止め、X線を照射して撮影する
  8. 造影剤を注入していた針を抜いて止血したら検査終了

入室から心臓CT検査終了までにかかる時間は約15分で、すぐに帰宅できます。検査が終わったあとの食事・入浴・運動などの制限は特にありません。ただし、検査中に注入した造影剤の排出を促すために、多めに水分を摂取するよう指示されることがあります。

心臓CT検査と造影剤について

心臓CT検査に使われる造影剤は、冠動脈をよりはっきりと撮影するために必要な薬剤のことです。ヨードを主成分としていて、造影剤を使わなければ発見できない病気もあります。
ごくまれに心臓CT検査後に吐き気、皮膚の発疹、かゆみなど造影剤への副作用が起こることがありますので、異常を感じたらすぐ担当医に伝えましょう。

造影剤の副作用

造影剤は比較的副作用が起こりやすいといわれています。副作用の現れ方はごく軽度なものから非常に重度なものまでさまざまあり、多くは投与後数分~数十分後に突然発症します。

次のような症状が現れたときは、造影剤の副作用の可能性がありますので医師や看護師などのスタッフに申し出るようにしましょう。

軽度な副作用
頭痛、吐き気・嘔吐、蕁麻疹、皮膚のかゆみ、めまい
重度な副作用
血圧低下、意識消失、不整脈、呼吸困難

特に、重いアレルギー反応である「アナフィラキシー」による血圧低下や呼吸困難などの症状は命に関わることもあります。造影剤を投与後に息苦さや意識が遠のくような感覚があるときは速やかにスタッフに訴えてください。

また、造影剤は腎臓を通って尿として排泄されるため、腎機能に異常がある方は使用後に急激な腎機能の悪化を引き起こすことがあります。造影剤を投与後数日以内で尿が少なくなる・むくみがひどくなるといった症状が出た場合は注意が必要です。

おわりに:心臓CT検査は体への負担が少なく、冠動脈と心臓全体の状態がわかる

心臓CT検査は、全身を画像化できるCT装置と造影剤を使って、冠動脈と心臓全体の状態を確認できる検査方法です。従来の主流であった心臓カテーテル検査に比べて低侵襲で、日帰りで受けられるメリットがあります。検査は狭心症、心筋梗塞、虚血性心疾患の早期発見につながりますので、医師からすすめられたら積極的に受けてみましょう。

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