心臓の病気を招く原因は?予防するためにできることは?

2018/12/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気になると、胸の痛みや動悸、息切れといった症状が出てきます。このような症状を招く原因としてどのようなものが挙げられるのでしょうか。また、心臓の病気を予防するために、わたしたちができることはあるのでしょうか。この記事で解説していきます。

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どんなことが心臓の病気を招くの?

「心臓病」にはさまざまなものがありますが、その原因の多くは、動脈硬化をはじめ高血圧や高血糖状態が長期間続くことにあります。動脈の血管壁にコレステロールなどの物質が沈着して動脈硬化が起こり、さらに高血圧状態が長く続くことで血管の弾力性が弱まり失われ、血糖値が高い状態が続くことで血管が傷つき、動脈硬化を悪化させていきます。

原因として日々の生活習慣や食習慣が大きく関わりますが、ストレスも心臓病の引き金あるいは悪化要因となります。ストレスがかかると、自律神経である交感神経が高まり、心臓を強く打たせて過度な負担をかけ血圧が上昇したり、喫煙や飲酒量が増えたり運動不足になるなど生活習慣を乱し、心臓病を悪化させてしまいます。

心臓の病気になったときにみられる主な症状は?

心臓の病気に自覚症状はほとんどないといわれますが、全くないわけではありません。

ひとつは胸痛で、胸の中央からみぞおちの深いところが痛んだり、締めつけられるような痛み、圧迫感があれば、狭心症の可能性があります。これが心筋梗塞になると、激しい痛みが続きます。

また、胸のむかつきは、心筋梗塞が速いペースで進行するときのサインです。軽い動作でも起こる息切れ、呼吸困難もサインのひとつで、症状が進むと安静時でも息切れを感じるようになります。

胸痛ではなく、動悸や息苦しさ、だるさ、左側の肩こりや腕の痛みが続く場合もあります。背中の激痛は重篤な解離性大動脈がんの場合があり、迅速な治療が必要です。また、ストレスが引き金となり、交感神経が高ぶって心臓の動きに障害が起こる「たこつぼ心筋症」という疾患もあります。心臓の先端だけ動かなくなって、急性心筋梗塞のような胸痛と呼吸困難があらわれる高齢の女性が多い疾患で、脳梗塞を起こす危険があります。

心臓の病気を予防するために何ができる?

心臓病の多くは、偏った食生活が主な要因といわれています。心臓病を予防するためには、以下のようなことに気をつけることが大切です。

  • バランスの良い食事で1日のエネルギー摂取量を守る
  • 肥満を避ける
  • 食事に血液がドロドロにならない、血管を丈夫にする青魚や野菜などの食品を積極的に取り入れる
  • 低脂肪を心がけ、塩分は1日6g未満、糖質も控え目にする
  • 1日30gの食物繊維をとる
  • 高カロリー高脂肪の外食はなるべく控えるようにする

オリーブ油に多く含まれるオレイン酸は、動脈硬化や心臓疾患を防ぐといわれているので、積極的に取り入れるとよいでしょう。また、1回の食事に30分以上かける、夜10時以降は食べない、規則正しく食事をとるなど、食べ方にも注意が必要です。ストレスを上手に解消することも大切です。気分転換の時間をつくること、疲れたと感じたら無理をせず休むこと、家族と触れあう時間をつくったり、楽しめる趣味を持つことなども心がけましょう。

おわりに:動脈硬化、高血圧や高血糖のほかストレスも原因に。食生活の改善やストレス解消を

心臓病の主な原因として、動脈硬化、高血圧や高血糖状態が長期間続くことが挙げられますが、ストレスもそれらに大きく影響します。気になる症状があれば早めに医療機関で受診するとともに、食生活の改善やストレスの解消に努めましょう。

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