心臓カテーテル検査を受けるのはどんなとき?検査に伴うリスクは?

2019/1/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「心臓カテーテル検査」をご存知でしょうか。今回はこの心臓カテーテル検査とはどんな検査なのか、検査が必要な人や検査に伴うリスクなど、全般的な情報をお伝えしていきます。

心臓カテーテル検査ってどんなもの?

心臓カテーテル検査とは、手首、肘、足の付け根の動脈からカテーテルという細い管を挿入して行う検査です。

心臓の冠動脈に造影剤を注入してX線(レントゲン)で撮影し、血管が狭窄や閉塞を起こしていないかや、心臓の各部屋の大きさ、筋肉、不整脈の原因などを調べることのできる検査です。その他にも、左心室造影検査や、右心カテーテル検査という検査など全てあわせて心臓カテーテル検査と呼んでいますが、心臓カテーテル検査の代表的な検査が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)です。

心臓カテーテル検査は、心不全・弁膜症・先天性心疾患・心筋症や狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患が疑われる場合、実施されます。

心臓カテーテル検査の流れは?

心臓カテーテル検査は外来および入院のいずれかで検査を行います。担当医が病歴、身体所見を確認した後、穿刺部位を決定します

検査を行う30分ほど前にカテーテルを挿入しない方の腕に点滴を挿入します。鼠蹊部からカテーテルを挿入する場合にはその病院の方針に則って点滴を挿入します。
その後、カテーテル室に移動して仰向けに横になり、血圧などを確認します。穿刺部位を消毒し、滅菌の布を体にかけます。

穿刺部位に痛み止めの局所麻酔を打ったあと、シースやガイドワイヤーといったカテーテルを確実に心臓まで送るための管を挿入し、その後カテーテルを挿入します。

心臓の血管まで到達したら造影剤を注入して撮影を行い、撮影が終了したらカテーテルを抜去します。シースなど全てを抜去したら動脈を圧迫止血し、穿刺部が曲がらないように固定をして終了となります。病室に戻った後は止血部を圧迫している圧力を徐々に下げながら止血を続けます。穿刺部によって安静時間が異なりますが、一定時間安静となります。

その後主治医より検査結果を聞いて検査は終了となります。
造影剤を注入すると、造影剤を注入した部分から胸部にかけて一時的にですが熱感を感じることがあります。

心臓カテーテル検査にリスクはないの?

心臓カテーテル検査は比較的安全な検査といわれており、器材・ 技術の進歩に伴い、重篤な合併症が起こる可能性は1%未満とされています。

しかし、この割合は年齢や既往、合併疾患などにもよって大きく変動することが特徴です。
主な合併症は脳血管障害が0.03~0.2%、穿刺部血腫や後腹膜下血腫や仮性動脈瘤や動静脈瘻などの穿刺部血管合併症が0.40~2.6%、心筋梗塞が0.03~0.06%、造影剤による副反応(気分不快、皮疹、呼吸困難、血圧低下など)が0.37%、腎障害が1.4~2.3%、不整脈が0.56~1.3%とされています。また、検査に伴う死亡も0.08~0.75%程度ですが報告されています。

これらの合併症は非常にまれであるとはいえ、起こる可能性があります。そのため、検査中に合併症が起こる可能性があると判断された場合には、その時点でカテーテル検査を中止にすることもあります。
また、検査後に合併症と思われる症状が出現した場合には直ちに看護師を呼び、速やかに処置をしてもらうようにしましょう。

おわりに:リスクを踏まえたうえで、心臓カテーテル検査の実施を

心臓の血管にカテーテルを通してX線にて撮影することで、血管が狭窄や閉塞を起こしていないか、心臓の各部屋の大きさ、筋肉、不整脈の原因などを調べることのできる心臓カテーテル検査。
カテーテルを注入する部位には橈骨動脈、正中動脈、大腿動脈があり、どこから挿入するかは医師が検査前の診察を行って決定します。
検査に伴い合併症が起こる可能性は非常に低いものの、命に関わる合併症を起こす可能性もあります。そのことを念頭に置き、何か症状が出現したときにはすぐに医師に報告できるようにしましょう。

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心臓カテーテル検査(7) 経皮的冠動脈インターベンション(1)