記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
大腸の一部「直腸」とはどんな臓器なのでしょうか。直腸の長さや役割、気になる直腸がんの前兆などを解説していきます。
大腸は、小腸の続きとして右下腹部から始まり、お腹の中を大きく時計回りに回って肛門へとつながっています。真っすぐに伸ばせば、全長は約1.5~2mにもおよぶ長い臓器です。肛門に近い15cmほどの部分を「直腸」それ以外のところを「結腸」と呼びます。
「結腸」はお腹の中をぐるっと回っている部分で長さもあるため、部位によって名前も異なります。小腸から大腸に切り替わってすぐのところには、やや下方にすぐ「盲腸」や「虫垂」がありますが、そこから、四角を線で描くように結腸が伸びているイメージです。まずは、上に伸びていく結腸「上行結腸」、続いて体の横へと延びていく「横行結腸」、上腹から左下腹部まで下がる「下行結腸」そして「S字結腸」を経て直腸へとつながっています。
直腸は、肛門に近い15cmほどの部分で、骨盤の骨に囲まれた狭い場所にあります。周囲には、子宮や前立腺、膀胱などがあり、自律神経が多く集まっている場所です。
直腸は小腸から流れてきた、下痢状の便がたまる場所です。ここから水分が吸収され、固形の便へと変わっていきます。
狭い場所の中にありながらも容量は大きく、がんの発生しやすい場所だといわれています。一般的に大腸がんと呼ばれるものは、この直腸部分に発生したがんと、結腸部分に発生したがんの総称ですが、直腸は結腸よりもだいぶ短い部分であるにもかかわらず、大腸がんの約5分の2はこの結腸がんといわれています。男女比は6:4といわれており、若干男性の方が直腸がんにかかる割合が高いです。
直腸がんは、肛門付近にできるため、やはり排せつの異常によってがんが発見されます。「排便時に出血がある」「便が細くなる」「残便感がある」「便秘や下痢を繰り返し、明らかに排便サイクルが乱れている」「貧血や立ちくらみに襲われる」などの症状が頻繁に認められる場合、大腸の検査を受けた方がよいでしょう。
直腸がんを含めた大腸がんは、早期発見すれば80%以上の確率で治ると考えられています。しかし、排便時の出血などは痔と間違いやすいうえ、自覚症状がないまま進行してしまうこともあります。そのため、40歳以上になったら健康診断などで定期的に便の検査を受けることが大切です。
まだ自覚症状がなくても、便の検査で潜血が発見されれば、そこから大腸がんの発見へとつながる可能性が高くなります。自覚症状がまだなく便潜血で発見されるような段階であれば、早期発見として根治できる確率が高くなるでしょう。
直腸は肛門に近い15cmほどの部分で、骨盤の骨に囲まれた狭い場所にあります。ここに下痢状の便がたまり、水分が吸収された後固形の便へと変わっていきます。比較的がんの発生しやすい部位といわれていますが、早期発見ができれば根治できる可能性は高くなります。40歳以上になったら、定期的に健康診断を受け、便の潜血検査を受けてください。
この記事の続きはこちら