記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
寒くなってくると過眠ぎみになり、朝起きられなくなったり、わけもなく気分が落ち込みやすかったり…それは「冬季うつ」によるものかもしれません。以降では「冬季うつ」とはどんな病気なのか、そして代表的な症状をお伝えしていきます。
冬季うつとは、医学的に「季節性感情障害」(Seasonal Affective Disorder; SAD)と呼ばれるうつ病の一種で、おおまかにいうと“冬だけうつ病になる”病気です。10~11月頃からうつ病のような症状が現れはじめ、3月頃から徐々に回復していくのが特徴で、「ウインターブルー」とも呼ばれます。
なぜ寒くなるとうつ症状が出るのかについては諸説ありますが、冬場の日照時間の低下により、「セロトニン」(気分のコントロールや、精神の安定に関わるとされる神経伝達物質の一種)の分泌量が減少したことが原因ではないかと考えられています。そして実際、北欧などの季節によって日照時間が短くなる地域での発症者が多いです。なお、性別的には男性よりも女性の発症率が高い傾向にあります。
冬季うつの代表的な症状は、以下のとおりです。
上述のように、症状はほぼうつ病と同じです。ただ大きな特徴として、食欲の減退や不眠といった症状がうつ病ではよくみられるのに対し、冬季うつでは睡眠と食欲が増える傾向があります。
なお、「冬になるとたくさん寝る」「つい食べ過ぎて太ってしまう」というのはよくある話ですが、冬季うつの場合は気分の落ち込みといったうつ症状も付随しているのが前提であり、日常生活に支障が出て本人が困っている状態を指します。
また、冬季うつのもうひとつの特徴が周期性です。特に理由もないのに、毎年秋から冬にかけてうつ症状が出始め、春になると改善するという状態を2年以上繰り返している場合は、冬季うつの可能性があります。
「寒い時期になると、なんとなく気分が落ち込む」という人は結構多いものですが、日常生活に支障が出るほどうつ症状が強かったり、また過眠で悩んだりしている場合は、冬季うつかもしれません。悪化する前に専門の心療内科や精神科を受診し、治療を始めていきましょう。
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