赤ちゃんの鼻血に注意~子どもにみられる特発性血小板減少性紫斑病~

2017/4/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

赤ちゃんの鼻血が止まらない・・・それは特発性血小板減少性紫斑病(ITP)かもしれません。

ほとんどは軽症で自然に治りますが、なかには長引くこともあるので一概に「鼻血」とはいえません。ここでは、赤ちゃんや子どもに多くみられるITPについて解説します。

特発性血小板減少性紫斑病とは?

小児特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)は、他に病気や薬の服用がないにも関わらず、血小板数が減少し、出血しやすくなる病気です。

鼻血を止めるのが難しく、腸で出血したり、軽度の外傷で脳が損傷し出血することもあります。

子どものITPのほとんどは急性型で比較的軽度で、治療をしなくても自然に治ります。まれに治療をしても長引く慢性型もみられますが、発症から6カ月ほどで約80%が完全に回復します。

どのような症状がありますか?

ITPには以下の症状がみられます。
・点状出血(出血することによって起こる皮膚の小さな赤紫色の紫斑)
鼻血
・歯茎からの出血
・軽度の切り傷でも、止血に時間がかかる
・血尿や血便
子どもでは、風疹やはしかの治りかけのころに突然、症状が出てくることもあります。その場合、紫斑以外は目立った症状がなく、いたって元気なのも特徴です。

原因と治療

ITPのはっきりとした原因はわかっていませんが、血小板を破壊する抗体が形成され、その抗体が体内の血小板を攻撃してしまうことで「血が止まらなくなる」とされています。
赤ちゃんや子どもでは特に治療をしなくても回復するため、出血したときはきちんとケアをすれば、病院につれて行く必要はないでしょう。

おわりに:たかが鼻血…ではない

昔、「鼻血が出た~」といってまるめたティシュペーパーを鼻に詰め、上を向いて歩いている小学生…いませんでしたか? 実は鼻血は、上を向かないほうがいいんです。なぜなら、上を向くと鼻血がのどの奥に入ってしまうので少しうつむくように下を向いたほうがいいんです。あるいは頭を高くして横向きに寝て、鼻血が出ているほうの小鼻を押さえて圧迫止血していれば4~5分で止まります。

鼻血は、慌てず、騒がず、静かにケアすることが大切です。それでも止まらないときは、お医者さんに相談しましょう。

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