記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/1/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちの生命と健康を維持するために休みなく動き続ける心臓。心臓のあたりに痛みを感じたり、息苦しくなったりすると不安になりますよね。心臓が痛くなると狭心症や心筋梗塞といった病気を思い浮かべますが、実はストレスや不安が痛みや息切れの原因になることもあるんです。今回は心臓に起こる疾患のうち、狭心症と心臓神経症の特徴や原因、そしてそれぞれの違いについて解説します。
まずは心臓神経症と狭心症について簡単に解説します。
心臓を詳しく調べても特段の異常が見られないにもかかわらず、心臓疾患に伴いやすい症状が現れる病気です。心臓自体に異常がないことから、ストレスや過労、心臓や健康状態に対する極度の不安から自律神経の働きが乱れ、心拍数が増えて生じる精神性の疾患だと考えられています。
具体的には、以下のようなストレスや不安を抱える人が発症しやすいといわれています。
心臓には、前面と後面に心臓を動かすための血液を送り届ける冠動脈という太い血管が通っていますが、この冠動脈が狭くなって心臓機能に影響が出た状態を狭心症といいます。
狭心症は、原因や特徴により以下の4つに分類されています。
冠動脈の内側、血管内膜にプラークができる動脈硬化になった結果、血管内の血液の通り道が狭くなって起こる狭心症です。
なお労作性狭心症は、症状の現れ方や動脈硬化の進行度合いによって、安定狭心症と不安定狭心症の2つにさらに分類できます。
主に夜間から早朝にかけての睡眠時や安静時に、冠動脈がけいれんを起こすことで血管が細くなり、狭心症の症状を引き起こすものです。異形狭心症、安静時狭心症などとも呼ばれます。
ここからは心臓神経症と狭心症の症状から、2つの心疾患の違いをより具体的にみていきましょう。
このように、心臓神経症と狭心症は発症原因はもちろん、痛みの範囲や感じ方、痛み以外の症状の有無や程度においても、大きな違いがあるとわかります。
このように、心臓神経症と狭心症には痛みの原因や症状の現れ方に違いがあるものの、胸の痛みや息苦しさは共通しています。このため、医師や医療関係者ではない人が「胸のあたりが苦しい」「痛い」という症状だけを根拠に、心臓神経症と狭心症を見分けるのは難しいです。
症状だけで自己判断せず、心臓に痛みや苦しさ、違和感があれば内科または循環器内科のある病院を受診し、きちんと医師に診てもらいましょう。
ちなみに、狭心症など心疾患が疑われる場合には、医師の指示のもと病院で以下のような検査を受けて心臓や他の臓器に異常がないかを調べていきます。
原因や症状の現れ方に差はあるものの、胸のあたりに痛みや苦しさを感じるという点では共通している心臓神経症と狭心症。このため、「胸の痛みや苦しさ」などの症状だけで、私たちが心臓神経症と狭心症のどちらを発症しているか見分けることは難しいです。胸のあたりに痛みや違和感が出たときは、まずは内科や循環器内科のある病院で診てもらいましょう。
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