心臓のあたりに締め付けられるような圧迫感が!これって怖い病気?

2018/12/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心臓のある左胸を中心に締め付けられるような痛みを感じると、心臓に悪い病気があるのではないか、死ぬのではないかと不安になりますよね。今回は、心臓のあたりに圧迫感のある痛みを感じた場合に考えられる心疾患について、心配ない痛みとの違いとあわせてご紹介していきます。

心臓のあたりに圧迫感があるのはキケンなの?

心臓のある左胸から胸の中央、みぞおちあたりを中心に、今まで経験したことのないような圧迫感や締め付けられるような痛みを感じたら、注意が必要です。心疾患の中でも痛みの現れ方が特徴的な狭心症、または心筋梗塞を発症している可能性が高いと考えられます。

狭心症(きょうしんしょう)
発作として胸が締め付けられる、または圧迫されるような重苦しい痛みを伴う心疾患。
階段の上り下りなど軽い運動時に起こりやすく、症状は数分間持続する。
心筋梗塞(しんきんこうそく)
発作として胸のあたりに圧迫感を伴い、顔が青白くなって冷や汗が出るような不安、不快感のある激しい痛みが出る心疾患。
症状は何の前触れもなく突然起こり、持続する。

また、狭心症と心筋梗塞のいずれも痛みの範囲が肩や腕、のど、奥歯にまで広がる「放散痛(ほうさんつう)」が起こりやすいのも、大きな特徴です。

チクチクとした痛みもキケン?

胸の痛みのなかでも、以下のような痛みは狭心症や心筋梗塞など、重大な心疾患が原因で起きている可能性は低いと考えられます。

  • 胸痛が起きている範囲が、ポイントをはっきり伝えられるほど狭い
  • 圧迫感や締め付けを伴っていない、ズキズキ、チクチクといった痛み
  • 特定の姿勢をとったり、体を捻ることで変化する胸の痛み
  • 咳や呼吸、または胸を圧迫することで痛みの程度が変化するもの
  • 程度がほとんど変わらないが、3日以上持続している痛み

これらの痛みは、しばらく放っておいても命に別状はないことが多いですが、痛みが持続して心配な場合は内科の病院を受診しましょう。

心臓に圧迫感を感じたらどう対処すればいい?

まず、突然圧迫感や締め付けを伴う痛みを感じた場合は、動くのをやめて首元やウエストなどをゆるめ、楽な姿勢で安静にしてください。このとき、まだ歩けそうだったとしても決して無理をせず、電話をかけて救急車を呼び、救急隊員から適切な処置を受けてください。

病院に到着後、症状や問診から狭心症である可能性が高いと考えられる場合は、運動などで心臓に軽い負荷をかけて心電図を診る負荷心電図・トレッドミル検査を行います。

一方、心筋梗塞が疑われる場合は安静な状態で心電図や心臓超音波検査、血液検査を行います。

治療法は、狭心症と心筋梗塞とで以下のように異なります。

狭心症の治療法

薬物療法

軽症であれば、血流を良くして血栓ができにくくなる薬や降圧剤、コレステロール低下薬などを投与して、薬で原因となる動脈硬化が悪化しないよう治療していきます。

カテーテル治療

太ももや腕の大きな動脈から、カテーテルと呼ばれる管と金属の網でできたステントという器具を挿入し、手術します。具体的には、血管の狭くなっている箇所にステントを入れ、血液が問題なく行き来できるよう血管環境を改善する治療法です。低侵襲で患者の負担が少ないが特徴です。

冠動脈バイパス術

胸の内側の動脈や下肢の静脈を採取し、狭くなっている箇所を避けるバイパスを作って冠動脈につなぎ、血管を再開通させる治療法です。胸を開いて行うため、カテーテル治療に比べて体への負担は大きくなります。

心筋梗塞の治療法

基本的に、一刻も早く心臓全体に血液が行き渡った状態になるよう、カテーテル治療で詰まってしまった血管を再開通させます。ただし、カテーテル治療が困難と判断される場合のみ、緊急の冠動脈バイパス手術が実施されます。

おわりに:心臓あたりの圧迫されるような痛みは、狭心症か心筋梗塞かも!

胸のあたりを中心に、広い範囲に圧迫されるような、また不快感を伴うような痛みがある場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性があります。原因や症状には異なる点もありますが、狭心症も心筋梗塞も、圧迫感がある痛みが数分間続くのが特徴的です。もしこのような痛みに襲われたら、まずは衣服をゆるめて安静にし、救急車を呼んでください。心臓の痛みは命にかかわりますから、休めば治ると思わずに医師の診断・治療を受けましょう。

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