記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/22 記事改定日: 2020/6/17
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記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
心臓のある左胸を中心に締め付けられるような痛みを感じると、悪い病気があるのではないかと不安になりますよね。今回は、心臓のあたりに圧迫感のある痛みを感じた場合に考えられる心疾患について、心配ない痛みの種類とあわせてご紹介していきます。
心臓のある左胸から胸の中央、みぞおちあたりを中心に、今まで経験したことのないような圧迫感や締め付けられるような痛みを感じたら注意が必要です。心疾患の中でも痛みのあらわれ方が特徴的な「狭心症」または「心筋梗塞」を発症している可能性が考えられます。
また、狭心症と心筋梗塞のいずれも痛みの範囲が肩や腕、のど、奥歯にまで広がる「放散痛(ほうさんつう)」が起こりやすいのも、大きな特徴です。
胸の痛みのなかでも、以下のような痛みは狭心症や心筋梗塞など、重大な心疾患が原因で起きている可能性は低いと考えられます。
これらの痛みは、しばらく放っておいても命に別状はないことが多いですが、痛みが持続して心配な場合は内科の病院を受診しましょう。
胸の痛みは命に関わる状況に陥っているときに起きることもあります。次のような胸の痛みがあるときはできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
心臓に何らかの異常を感じたときは、その症状のあらわれ方によって対処法を考える必要があります。
突然に圧迫感や締め付けを伴う痛みを感じた場合は、次のような対応をとってください。
このとき、まだ歩けそうだったとしても決して無理をせず、電話をかけて救急車を呼び、救急隊員から適切な処置を受けてください。
病院に到着後、症状や問診を行います。狭心症と心筋梗塞が疑われる場合の検査法と治療法は以下のように異なります。
運動などで心臓に軽い負荷をかけて心電図を診る負荷心電図・トレッドミル検査を行います。主な治療法には下記のものがあります。
軽症であれば、血流を良くして血栓ができにくくなる薬や降圧剤、コレステロール低下薬などを投与して、原因となる動脈硬化が悪化しないよう治療していきます。
太ももや腕の大きな動脈から、カテーテルと呼ばれる管と金属の網でできたステントという器具を挿入し、手術します。具体的には、血管の狭くなっている箇所にステントを入れ、血液が問題なく行き来できるよう血管環境を改善する治療法です。低侵襲で患者の負担が少ないが特徴です。
胸の内側の動脈や下肢の静脈を採取し、狭くなっている箇所を避けるバイパスを作って冠動脈につなぎ、血管を再開通させる治療法です。胸を開いて行うため、カテーテル治療に比べて体への負担は大きくなります。
安静な状態で心電図や心臓超音波検査、血液検査を行います。
治療は基本的に、カテーテル治療を行います。一刻も早く心臓全体に血液が行き渡った状態になるよう、カテーテルで詰まってしまった血管を再開通させます。ただし、カテーテル治療が困難と判断される場合のみ、緊急の冠動脈バイパス手術が実施されます。
胸のあたりを中心に、広い範囲に圧迫されるような、また不快感を伴うような痛みがある場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性があります。原因や症状には異なる点もありますが、狭心症も心筋梗塞も、圧迫感がある痛みが数分間続くのが特徴的です。もしこのような痛みに襲われたら衣服をゆるめて安静にし、救急車を呼んでください。心臓の痛みは命に関わります。休めば治ると思わずに医師の診断・治療を受けましょう。
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