心筋虚血って言われたけれど、これってどんな病気なの?

2019/1/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「心筋虚血」と聞いて、なんとなく心臓に問題がありそうなイメージは沸くものの、具体的にどんな状態なのかまではわからないと思います。この記事では、心筋虚血がどのような状態なのかや、放っておくと支障があるのかどうかを解説します。

心筋虚血ってどんな病気?

「心筋虚血」の「心筋」は心臓の筋肉のことで、「虚血」は血がない状態を意味します。つまり心筋虚血とは、心臓に十分に血液がいきわたらず心臓の働きなどに支障が出た状態のことで、狭心症や心筋梗塞を指します。

心筋虚血は、心臓を取り巻くようにして心臓の筋肉に血液を送り、酸素と栄養素を供給する冠動脈が、動脈硬化などによって狭くなったり、けいれんを起こしたりして血液が十分にいきわたらなくなったりすることで起こります。心臓が酸欠(虚血)状態になると、強い胸痛など狭心症や心筋梗塞の発作を起こし命に関わる場合があります。

狭心症と心筋梗塞の違いは?

「狭心症」は、動脈硬化などにより冠動脈の血管が細くなり心臓へ送る血液の量が少なくなっている状態です。

運動時など普段より酸素を必要とする状況になると、心臓は血流量を増やして対応しようとしますが、血液の供給が追いつかなくなると、心臓の活動量と血液の供給量のバランスが崩れて酸欠状態を起こします。締めつけられたり、押さえつけられたりするような鈍い痛みが数十秒から10分程度ありますが、症状は一時的で、痛みはやがて治まります

一方、「心筋梗塞」は冠動脈の血管が血栓で完全に詰まってしまい、血液の供給が大幅に減ったり途絶えたりして心筋が壊死し、心臓が動かなくなってしまうものです。

血管の内側にたまったコレステロールのかたまりに何かの拍子で亀裂が入ると、そこをかさぶたのように血液のかたまりが覆い、血栓となって血管をふさいでその先の細胞を死なせてしまいます。突然発症することがあり、冷や汗や吐き気、恐怖感を伴う耐えがたい痛みが30分以上続きます

狭心症では心筋は回復しますが、心筋梗塞で死んでしまった部分の心筋は回復しません。

虚血状態が続くと、体調にどんな変化が出てくる?

虚血状態が続くと、胸が苦しくなり痛みや締めつけられるような症状があらわれます

症状は軽いものから激しいものまでさまざまで、あごや奥歯、のど、左肩や腕にも痛みを感じるなど、広い範囲に症状が出てきます。安静時にこのような狭心症の症状があらわれたり、発作の回数が増えるのは、心筋梗塞になりやすい状態ですので、すぐに医師に診てもらいましょう。

その状態が長く続くと心筋梗塞に進行します。心臓を収縮させる心筋の動きが悪くなり、心臓が果たしているポンプ機能に支障が出始め、息苦しくなるなど「心不全」の症状が起こったり、さらに重症になると血圧が下がって電気的なショック症状を起こして全身が虚血状態になってしまいます。

また、心筋の働きに障害をきたして「心室細動」という命に関わる不整脈を起こすことがあります。これらは死に至る可能性が高い緊急を要する状態です。心筋梗塞が疑われたらすぐに救急車を呼んでください。

おわりに:狭心症や心筋梗塞を指し、血液が心臓にいかなくなることで死に至る可能性がある

心筋虚血とは、心臓に十分に血液がいきわたらず心臓の働きなどに支障が出た状態のことで、狭心症や心筋梗塞のことを指します。狭心症を放置すると心筋梗塞に進行し、心臓の一部が壊死したり死に至る可能性があります。すぐに医師に相談し治療を受けるようにしましょう。

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