乾いた咳がずっと続くのは肺のトラブル?考えられるのはどんな病気?

2018/12/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

痰は出ないのに、呼吸が苦しくなるような乾いた咳が長期間続いているなら、それは風邪ではなく肺のトラブル・病気が原因かもしれません。
今回は乾いた咳が続くときに考えられる病気について、必要な検査とともにご紹介します。

空咳(からせき)とは?

いくら咳をしても痰が出ない乾いた咳のことを、空咳といいます。鼻や口から吸い込んだ空気が喉の奥・気道にある粘膜に触れ、知覚神経を刺激することへの反応として、乾いた咳が出ると考えられています。

なお空咳は呼吸器官に何も異常がなく、また風邪などの病気にかかっていない健康な人でも、極端に温度差のある空気や化学的刺激のある空気などを吸い込むと起こります。

空咳が続くときに考えられる病気は?

長引いてなかなか治らない空咳のうち、ほとんどは風邪をきっかけとしたものです。

風邪は、さまざまなウイルスが喉や鼻の粘膜に感染することによって起こる感染症の総称ですが、いずれも発症から3~5日以内に徐々に症状が治まってきます。

ただし、風邪だと思っていた症状をきっかけに3週間以上空咳の症状が治まらない場合は、以下のような細菌による感染症、または肺・気管支の病気であると考えられます。

  • マイコプラズマ感染症
  • クラミジア感染症
  • 百日咳
  • 結核
  • 喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • 間質性肺炎
  • 肺がん

このように、「ただ風邪が長引いているだけ」と思っている咳が、実は気管支喘息結核、肺炎や肺がんなど重大な呼吸器疾患の症状として現れている可能性もあります。
3週間以上咳が続いて治まる気配がない場合は、風邪だと決めつけず、一度は病院で詳しい検査を受けた方が良いでしょう。

咳が続く場合、どんな検査を受ければいいの?

空咳が続いて病院を受診すると、まずは通常の風邪と同じように問診や聴診で、自覚症状や胸から聞こえる呼吸音の異常の有無を確認されます。

しかし、長引く空咳の原因がこれだけで特定されることは少ないため、レントゲン(X線)やCT検査機で胸部を撮影し、肺の状態を確認する検査をあわせて行っていきます。
胸部のレントゲンとCT検査にて、肺の異常から特定されることのある病気の具体例は、それぞれ以下の通りです。

胸部レントゲン
肺炎、肺結核、肺がん  など
CT検査
過敏性肺炎、粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)、間質性肺炎、肺がん  など

CT検査では、レントゲンでは確認できないような細かい変化や、撮影が難しい角度・位置にある異常や腫瘍まで発見できることがあります。

このため、一般的には先に胸部レントゲンと肺の機能検査や痰の検査を行ってから、それでも診断がつかないときにCT検査まで行われるパターンが多いです。

長引く空咳に対し、どのような内容・順序で検査を行うかは担当医の判断によって変わってきます。

おわりに:乾いた咳「空咳」がずっと続くなら、肺や気管支のトラブルのせいかも

空咳は、健康な人でも外気などで喉の奥の粘膜の知覚神経が刺激されると起こりますが、頻繁に長期間続く場合は、何らかの疾患が潜んでいる可能性があります。風邪をきっかけに発症することが多いですが、3週間以上続くようであれば風邪ではなく、より重大な感染症や気管支炎・肺炎、肺がんなどの呼吸器疾患かもしれません。
いずれにせよ、空咳には原因にあわせた早期の治療開始が望まれるので、速やかに病院で検査を受けてください。

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