記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
胃腸風邪とは、いわゆる感染性胃腸炎のことです。季節の変わり目などで風邪をひいた子どもがかかると、ひどい下痢や嘔吐をすることもあります。このようなときには、どんな食事と食べさせてあげればいいか悩むこともあると思います。この記事では、胃腸風邪になった子どもにおすすめの食べものについて、食事を摂るときのポイントとおすすめレシピをあわせて解説していきます。
胃腸風邪などで食べものを消化・吸収する力が低下すると、腸内環境が乱れて下痢や嘔吐をすることがあります。このようなときは、胃腸に負担をかける食物繊維の多い野菜や海藻類、油っぽいものなどは控え、消化しやすい食べ物(お粥・うどん・白身魚・鶏ささみ・豆腐など)を食べさせてあげましょう。なお、果物の中でもリンゴは下痢を抑える働きがありますが、それ以外のものは控えてください。
食事中はゆっくりよく噛んで食べるよう促します。また、冷たいものを一気に飲ませないようにしましょう。吐き気がある様子をみせているときは、無理に食べさせず、リンゴ果汁、番茶、麦茶、ウーロン茶、スポーツ飲料といった水分を少しずつ与えてください。油っぽいものや酸味の強い柑橘類は、吐き気を誘うので控えましょう。また、ひどい下痢や嘔吐が頻繁にみられるときは絶食にしてください。
なお、下痢や嘔吐が続くと体内の水分が急激に失われるため、脱水に注意する必要があります。症状がひどい場合には点滴治療を行なう必要がありますので、皮膚やくちびる、舌の乾燥、皮膚の弾力性が低下しているといった症状がみられたら病院に連れて行きましょう。
食欲がないときは、水分補給だけ行ないます。食欲が出てきたら、温かくて栄養があり、前述したような消化に良いものを用意してあげましょう。子どもにとって食べやすい、りんごのすりおろしやバナナ、ヨーグルトなどがおすすめです。
赤ちゃんが胃腸風邪になったときには、いつも通りに母乳やミルクをあげてもかまいません。かつては母乳の量を減らす、ミルクを薄めに作ってあげるなどといった対策をしていましたが、下痢をしていても普段と食欲が変わらなければ、母乳やミルクを制限する必要はありません。脱水予防のためにも、赤ちゃんが欲しがるだけ母乳やミルクを飲ませることは大切です。
ただし、母乳を飲んでいると思っていても、実際には大した量を飲んでおらず、脱水が進むこともあります。下痢が激しいときや症状が長引くとき、脱水の症状がみられるときは医師に相談しましょう。
胃腸風邪におすすめの乳幼児向けのレシピと、小学生以降の子ども向けのレシピをご紹介します。
子どもが胃腸風邪を引いて下痢や嘔吐をしているときには、お腹にやさしい食べものを選んで、胃腸に刺激を与えないようにすることが大切です。定期的に水分補給を行ない、脱水にも気を付けてあげましょう。一方、赤ちゃんでは普段通りに母乳やミルクをあげて問題ありません。脱水に気をつけることはもちろん、必要に応じて医療機関を受診し、医師に指示された適切な方法で回復を待ちましょう。
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