マイコプラズマ肺炎はどうやって治療するの?

2019/1/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

子供の感染リスクが高い病気のひとつ、「マイコプラズマ肺炎」。もしマイコプラズマ肺炎と診断されてしまった場合、どんなふうに治療が進められていくのでしょうか。

マイコプラズマ肺炎はどうやって治療するの?

肺炎では、多くの場合でペニシリン系の抗生物質が使用されます。ところが、マイコプラズマ肺炎ではペニシリン系の薬は効果がありません。そのため、マイコプラズマ肺炎の可能性が高い場合には、まずマクロライド系のエリスロマイシンやクラリスロマイシン、アジスロマイシンが処方されます。

しかし、2000年頃からマクロライド系の抗生物質も効かないマイコプラズマ肺炎も出てきました。マクロライド系が効かない場合には、テトラサイクリン系のミノマイシンやニューキノロン系のオゼックスが使用されます。薬が効き始めると、おおよそ2~3日で熱が下がり始めるでしょう。

薬が効かない原因、「耐性菌」ってどんなもの?

マイコプラズマ肺炎の第一選択薬であるマクロライド系が効かない場合には、まず他の肺炎の関与がないかを調べます。他の菌やウイルス感染の可能性が除外された場合には、「耐性菌」が原因と考え、抗生物質を変更して治療を行います。
具体的には、前述したようなキノロン系やテトラサイクリン系の抗生物質を使用することとなります。ただし、テトラサイクリン系の薬は骨や歯の発育に影響することがあるため、8歳未満には原則使用しません。

マイコプラズマ肺炎が重症化した場合には、入院してテトラサイクリン系の注射薬を使用した治療を行います。呼吸困難が起きた場合には、副腎皮質ステロイド剤の点滴も行われます。

耐性菌が生まれてしまうのはどうして?

耐性菌が生まれる背景には、抗生物質を使い続けることや途中で勝手に使用をやめてしまうことがあります。細菌は生き物であるため、生活環境が悪くなり生存が脅かされると性質を変えて生き延びようとします。耐性菌は初めは少数でも、抗菌剤を使えば使うほど数が増えていきます。耐性菌の数が一定数を超えると、抗生物質を使っても効果が出ない状況となってしまいます。

耐性菌を増やさないためには、抗生物質を適切に使うことが大切です。抗生物質が処方された場合には、決められた用法を守り必ず飲み切るようにしましょう。
また、抗生物質に対する知識を持つことも大切です。抗生物質は、どんな病気も治す魔法の薬ではありません。抗生物質は細菌感染に効果があり、ウイルスには効きません。不必要な使用は避け、処方されたときのみ飲むようにしてください。

おわりに:マイコプラズマ肺炎を治すには、抗生物質の適切な使用が重要

マイコプラズマ肺炎は、医師から処方される抗生物質で治すことができます。しかし、一般によく使われるペニシリン系はマイコプラズマ肺炎には効きません。マイコプラズマ肺炎では、マクロライド系の抗生物質が第一選択薬として使用されます。しかし、最近では耐性菌の問題も増えてきているので、抗生物質は医師の指示通りに飲むようにしましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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