マイコプラズマに感染すると肺炎のような症状が出てくるの?

2019/2/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

近年、マイコプラズマ肺炎の報告数は増加しており、「マイコプラズマ」を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思います。今回は身近な病気でありながら、あまり詳しくは知られていないマイコプラズマ肺炎について解説します。

マイコプラズマ肺炎ってどんな病気?

マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマという細菌に感染することで起こる肺炎です。通年性の病気なので1年中みられますが、特に晩秋から早春にかけて流行しやすい病気です。また、年代別に見ると幼児期、学童期、青年期に多く、7~8歳頃がピークとなっています。2000年頃から増加し始め、2016年10月17日~23日の1週間は過去最多になりました

感染するとどんな症状が出てくるの?

マイコプラズマ肺炎の主な感染経路は、接触感染や飛沫感染となっています。一般的に、幼稚園、保育園、学校などで感染するケースもありますが、基本的には濃厚接触が必要と考えられているため、幼稚園などでの短時間の接触では感染しにくいとされています。マイコプラズマに感染した場合、約2~3週間の潜伏期間を経た後にさまざまな症状がみられます。

マイコプラズ肺炎の主な症状には何がある?

マイコプラズ肺炎を発症すると、初期症状としては発熱、全身の倦怠感、頭痛などがあらわれます。また、初期症状があらわれてから約3~5日後に乾いた咳が出始め、少しずつ酷くなり、痰や血痰などを伴うこともあります。この咳は解熱後も3~4週間程度にわたって続きます。

そのほか、嗄声、耳痛、咽頭痛、下痢、吐き気、おう吐、筋肉痛、関節痛、発疹、喘鳴などの症状が出てくることもあります。なお、これらの症状は患者さんごとに個人差があり、短い場合は2~3日程度で回復しますが、長い場合は1カ月以上続くこともあります

マイコプラズマ肺炎の合併症には何がある?

マイコプラズマ肺炎をこじらせた結果、合併症が起きてしまうケースもあります。マイコプラズマ肺炎の合併症はさまざまで、無菌性髄膜炎、脳炎、ギランバレー症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、中耳炎、肝炎、すい炎、心筋炎、関節炎などが考えられます。そのため、合併症を予防したり、重症化を防いだりするためにも、疑わしい症状があれば早めに呼吸器内科などを受診しましょう。

大人もマイコプラズマ肺炎になる?

マイコプラズマ肺炎は子どもに多い病気ですが、大人にも感染する可能性があります。特に40歳未満の方に多くみられ、60歳以上になるとほとんどみられません。そのため、お子さんがいる働き盛り世帯の場合、家庭内でマイコプラズマに感染しないよう気をつける必要があります。

大人がマイコプラズマ肺炎を発症した場合、発熱や咳などの症状がみられます。一般的には、大人の方が子どもよりも重症化しやすい傾向があり、抵抗力がある人ほど症状が強いとされています。もし長引く咳がありましたら、早めに呼吸器内科などを受診しましょう。

マイコプラズマ肺炎を治療するには?

マイコプラズマ肺炎が疑われる場合は、まず問診や視診、聴診などを行います。そして、必要に応じて、血液検査や胸部レントゲン検査などを実施し、これらの結果を踏まえて治療を開始します。ただし、この段階では「マイコプラズマ肺炎か」を見極めることが難しい場合もあり、マイコプラズマ肺炎である可能性を踏まえた治療を行っていくことになります。

マイコプラズマ肺炎の治療法は?

一般的な肺炎であればペニシリン系の薬を使用しますが、マイコプラズマ肺炎には効果がないことが分かっています。そこで、マイコプラズマ肺炎の可能性がある場合は、第一選択薬として「マクロライド系の内服薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)」を使います。

マクロライド系の薬を使用すると、基本的には2~3日程度で熱は下がります。ただし、中にはマクロライド系の薬に耐性を持っている場合もあり、その際は第二選択薬である「キノロン系の薬」や「テトラサイクリン系の薬」を使用します。なお、テトラサイクリン系の薬は、子どもの骨や歯の発達に悪影響を与える可能性があるため、8歳未満の子どもには原則使いません。

マイコプラズマ肺炎の迅速検査って何?

今まではマイコプラズマ肺炎の確定診断には培養検査などが必要であり、検査結果が出るまでに1週間程度の期間が必要でした。しかし、最近になり「マイコプラズマ感染症の迅速検査」が開発され、30分程度でマイコプラズマ肺炎かを判定できるようになりました。導入している医療機関は限られていますが、もし検査が可能であれば受けてみるのも一案です。

おわりに:手洗い・うがいでマイコプラズマ肺炎を予防しよう!

マイコプラズマ肺炎の主な感染経路は、接触感染と飛沫感染ですので、日頃から手洗い、うがいをすることが予防に役立ちます。また、流行期に発熱や長引く咳などがありましたら、早めに病院を受診して、しっかりと検査・治療を受けましょう。

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