胃腸薬の副作用&授乳中の服用について

2019/1/18

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

不快感や痛み、吐き気や下痢など消化器の不調のときに飲む胃腸薬は、風邪薬や解熱鎮痛剤と並び、服用する機会の多い薬です。
今回は、よく飲むからこそきちんと知っておきたい胃腸薬の副作用と、授乳中に服用することのリスクと種類の選び方について解説します。

胃腸薬の副作用で下痢や便秘になることってあるの?

胃腸薬のうち、特に胃酸の分泌を抑える作用のある制酸剤が入っているものは、服用後に胃酸と反応して成分の一部が変質します。具体的には塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどが発生し、それぞれ以下のような作用を持っています。

塩化アルミニウム
タンパク質と結合して被膜を作り、胃酸から腸粘膜を保護する
塩化カルシウム
腸の運動を抑える
塩化マグネシウム
腸内で水分を保持する

このため、腸の保護や働きの抑制を引き起こす塩化アルミニウム・塩化カルシウムの作用によって便秘になりやすく、また、水分を保持する塩化マグネシウムの作用で下痢になることがあるのです。

ただし、胃腸薬を飲んで便秘や下痢の副作用が起こるかどうかは、薬の種類や服用する人の体質、薬との相性などによっても変わってきます。あくまで「副作用として、便秘や下痢が起こり得る」と押さえておきましょう。

授乳中に市販の胃腸薬を飲んでも大丈夫?

授乳中に市販の胃腸薬を服用することが問題になることは少ないですが、薬の種類によっては安全か、安全性が確約されていないこともあります。

ただし、市販薬にはさまざまな種類があるうえ、さらに漢方を主成分とした胃腸薬や下痢止めは成分に関するデータが少ないため、有害・無害の判断も難しいです。このため、市販薬だから、または漢方を主成分とする胃腸薬だから安全と言い切ることはできません

授乳中に市販の胃腸薬を服用するときは、事前に医師に相談してください。

授乳中に飲んでも安全な胃腸薬は?

ここからは授乳中に服用しても安全と考えられている胃腸薬の具体例を、国立成育医療研究センターのホームページから、抜粋してご紹介します。代表的な商品名と成分名は下記の通りです。

  • ウルソデオキシコール酸を主成分とする「ウルソ®」など
  • オメプラゾールを主成分とする「オメプラール®」「オメプラゾン®」など
  • シメチジンを主成分とする「タガメット®」など
  • センナ、センノシドを主成分とする「アローゼン®」「プルゼニド®」など
  • ドンペリドンを主成分とする「ナウゼリン®」など
  • ニザチジンを主成分とする「アシノン®」など
  • ピスコルファートナトリウム水和物を主成分とする「ラキソベロン®」など
  • ファモチジンを主成分とする「ガスター®」など
  • メトクロプラミドを主成分とする「プリンペラン®」など
  • ラニチジンを主成分とする「ザンタック®」など
  • ロペラミドを主成分とする「ロペミン®」など
  • 酸化マグネシウム  など

国立成育医療研究センターホームページの情報をもとに編集して作成 】

おわりに:副作用について知り、特に授乳中の胃腸薬服用は医師に相談しよう

市販されている胃腸薬のうち、特に制酸剤が含まれるものを服用すると、人によっては副作用として下痢や便秘の症状が現れることがあります。また、市販の胃腸薬の成分によっては、授乳中に服用することの安全性が確約されていないものもあるため、授乳中に内服する際は医師のアドバイスや専門機関が勧める胃腸薬を服用するようにしましょう。

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