食欲不振の症状が何日も続いているのは放置しないほうがいい?

2019/1/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

体調不良やストレスなどで、一時的に食欲がなくなるということは少なくありません。ただ、このような状態が数日間にわたって長く続く場合、消化器を始めとする臓器や、メンタル面に深刻な問題が起こっている可能性があります。この記事は、食欲不振が続く場合に考えられる病気と、受診の必要性について解説します。

食欲不振の症状がずっと続くのはよくないこと?

食欲不振や食欲減退は、以下いずれかの条件に当てはまる状態です。

  • 食べたい気持ちはあるのに食べられない
  • 食べたい気持ち自体があまりない、または沸いてこない
  • 食べたいという欲求がまったくない

仕事などによる極度の身体的な疲労や、大切な人を亡くすといった大きな精神的ストレスを受けた際に、一時的にこのような食欲不振の状態に陥る人が多いです。

一般的に、本人がその原因をある程度把握できるような一時的な食欲不振の場合は、2~3日で自然に回復し、再び食事が摂れるようになります。しかし、それ以上の期間、食欲不振の状態が続く場合は、その背景に体、もしくは精神面に深刻な問題や病気が潜んでいる可能性があります。

食欲不振を招く病気って?

症状の1つに食欲不振が起こり得る病気として、特に消化器官の疾患が考えられます。具体的には、以下4つのいずれかを発症している可能性が高いと考えられます。

胃や十二指腸などが炎症・損傷・穿孔する胃炎や十二指腸炎
食欲不振、みぞおちの痛み、胃部不快感、胸やけや吐き気を伴う病気
胃酸が食道まで逆流することによる、逆流性食道炎
食欲不振、げっぷ、胃もたれ感、咳き込みなどを伴う病気
胃の運動機能が障害されてしまう、機能性ディスペプシア
食欲不振、食後の胃もたれ、みぞおちの痛みなどを伴う病気
肝臓の炎症が胃腸での消化機能も低下してしまう、肝炎
食欲不振、倦怠感、吐き気、白目や皮膚の黄変などが見られる病気

上記のうち、食欲不振以外に思い当たる症状がないか思い出してみましょう。

食欲不振の症状は胃腸が原因とは限らない?

前項では、食欲不振を招く原因のうち特に消化器官の病気をご紹介しましたが、食欲不振が必ずしも消化器系の病気から発症するとは限りません。以下のような心身の病気から、食欲不振を起こしている可能性も考えられます。

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌量低下により、食欲不振や声のかすれ、疲労感、抑うつ症状、足のむくみなどが出る病気
がん
消化器官やその他の臓器にがんができると、食欲不振などさまざまな症状が出ることがある
神経性無食欲症
いわゆる拒食症のことで、痩身への強い想いから食べることを拒否する摂食障害
うつ病
2週間以上、気分の落ち込みや不眠、イライラ、食欲不振などが続く精神性の病気

また病気ではなくても、加齢、不規則な生活習慣やストレスによる自律神経の失調、過度な飲酒などの原因から、食欲不振を引き起こすこともあります。

食欲不振が続いていたら病院で診てもらおう

もし、数日間続く食欲不振が消化器をはじめ心身の病気で起こっていた場合、早期に発見し、適切な治療開始をすることが望まれます。食欲不振は、病院に行けば病気ではない可能性にも配慮しつつ、原因になりそうな病気を発症していないか、以下のようなさまざまな検査で調べてもらえます。

食欲不振の原因究明のための検査
血液検査、レントゲン撮影、超音波検査、CT検査、胃・大腸カメラ  など

原因が特定できれば、それにあった適切な治療を受けることもできます。食欲不振が数日以上続いているときは、病院に行って医師に診てもらいましょう。

おわりに:何日も続く食欲不振は病気のサインかも!病院で医師に診てもらおう

原因に特段の心当たりもないのに、2~3日以上の長い期間にわたり食欲不振が続いている場合は、心身に病気が潜んでいる可能性が考えられます。

食欲不振は、消化器の炎症や逆流性食道炎、がん、肝炎、甲状腺機能低下症、うつ病などの症状のひとつとして現れることがあります。病院に行けば、病気ではなく加齢や自律神経失調による発症の可能性もありますが、原因究明のための検査が受けられますので、できるだけ早く受診しましょう。

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