記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/1/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
発症すると頰が赤くなることから名付けられた「りんご病」。主な発症年齢は5歳前後と子供が中心ですが、大人でもりんご病に感染することはあるのでしょうか。また、大人が感染した場合、子供とは違う症状が現れるようになるのでしょうか。
りんご病(伝染性紅斑)は5歳前後の子供によく見られる感染症ですが、大人でも感染することがあります。
そもそもりんご病は、ヒトパルポウイルスB19という病原体に感染することで発症します。子供の頃このウイルスに感染したことのない大人は、免疫を持たないので感染リスクが高いです。逆に子供の頃りんご病にかかったことがある人はすでに免疫を持っているので、再度りんご病にかかることは基本的にないと考えられています。
なお、子供との接触の多い保護者の方やご家族は、お子さんがりんご病に感染した場合、その飛沫を通じて感染する可能性があるので注意が必要です。
子供のりんご病では、ウイルスに感染してから1週間ほどで、発熱や筋肉痛などの風邪のような症状が出ます。その後頬や手足、胴体に網目状の赤い発疹が見られ、それが1週間程度続いた後、治癒に向かっていきます。
ただ大人の場合は、子供よりも症状が重症化しやすいといわれています。具体的には、以下のような症状が特徴です。
大人の場合、ウイルスに感染してから最初に出る特徴的な症状が高熱です。38℃超えの状態が3日程度続き、同時に倦怠感を感じるようになります。
子供と同様、大人のりんご病でも発疹は見られますが、子供の場合は頬や胴体にも発疹が見られるのに対し、大人の場合は手足に出ることが多いのが特徴です。ひどい場合は手首や指にも発疹が現れることがあります。
熱が下がった頃、腰や膝などの関節にひどい痛みを感じるようになるのも、大人のりんご病の特徴です。重度の関節痛により、日常生活に支障が出ることもあります。
関節痛の症状に悩まされる頃、手足のむくみが起こるケースも少なくありません。この手足のむくみは、子供のりんご病ではほとんど見られない特徴的な症状になります。
特に大人の場合、多いとされるのが不顕性感染です。症状の現れない感染パターンのことで、ヒトパルポウイルスB19に感染しても約半数の人は、発疹などの目立った症状が現れないともいわれています。
なお、不顕性感染であっても、周囲に感染させるリスクは変わりません。特に妊婦さんは感染すると流産や死産の恐れがあるので、特に注意が必要です。
りんご病は、子供だけでなく大人もかかることのある感染症です。さらに大人が感染すると子供よりも症状が重くなりがちなので、子供の頃りんご病にかかったことのない方は、流行期の感染に一層注意しましょう。
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