記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/1/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子どもがりんご病(伝染性紅斑)を発症すると、両頬がりんごのように赤くなります。子どもに多い感染症のため、大人は感染・発症しないイメージを持っている人もいるかもしれませんが、りんご病は大人にも感染する可能性があります。この記事では、大人がりんご病に感染・発症する可能性と大人の症状の特徴について解説していきます。
りんご病は、5歳前後の子どもによくみられる感染症ですが、大人に感染することもあります。りんご病はヒトパルポウイルスB19に感染することで発症しますが、子どもの頃にヒトパルポウイルスB19に感染した経験がない大人は、免疫を獲得していないため感染リスクが高いといわれています。一方、子どもの頃にりんご病にかかったことがある人は、大人になってりんご病を発症することはあまりないと考えられています。
大人のりんご病は、感染した子どもの飛沫などを介して感染することが多いといわれています。家族に子どもがいる人や子どもがいる施設を利用する人など、子どもと接触する機会が多い人は感染リスクが高くなるので注意しましょう。
子どものりんご病では、感染後1週間ほどすると、発熱・筋肉痛などの風邪のような症状が現れます。その後、頬・手足・胴体に網目状の赤い発疹が現れ、このような症状が1週間程度続いた後、快方に向かっていきます。大人がりんご病に感染・発症した場合は以下のような症状が現れ、子どもよりも重症化しやすいといわれています。
大人のりんご病では、高熱が特徴的な症状になります。一般的には、発熱は感染してから最初に現れる症状といわれており、38℃を超える高熱が3日程度続き、同時に倦怠感が生じます。
子どもと同様、大人のりんご病でも発疹は現れますが、子どもの場合は頬・胴体にも発疹が現れるのに対し、大人の場合は発疹が手足に現れることが多いといわれています。なお、症状が重い場合は、手首・指にも発疹が現れることがあります。
大人のりんご病では、熱が下がった頃に腰・膝などの関節にひどい痛みを感じるようになることがあります。ひどいときには、重度の関節痛で日常生活に支障が出ることもあります。
大人のりんご病では、関節痛の症状が現れる頃に、手足のむくみが起こることもあります。このむくみは、子どものりんご病ではほとんど起こらないといわれています。
大人のりんご病では、感染しても無症状のままである不顕性感染も多いといわれており、不顕性感染の場合は発疹などの目立った症状は現れません。ただし、不顕性感染の人にも周囲に感染をひろげるリスクはあります。妊娠中の人がりんご病に感染すると、流産・死産などのリスクが高まるといわれているので注意しましょう。
りんご病は、子どもによくみられる感染症ですが、大人も感染・発症する可能性があります。大人がりんご病を発症すると重症化しやすい傾向にあり、子どもとは症状の現れ方も異なります。また、大人では症状が現れない不顕性感染も多く、知らないうちに感染をひろげてしまうリスクもあります。子どもと触れ合う機会がある人は、注意するようにしてください。
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