ピロリ菌が胃炎の原因?除菌すれば治るの?

2019/2/24

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃にすみついていると、慢性胃炎の原因になるといわれています。この記事では、なぜ慢性胃炎の原因になるのかを紹介するとともに、慢性胃炎と思われる症状がみられたときの検査・治療法を解説します。

ピロリ菌が胃炎の原因になる?

ピロリ菌が胃に感染すると、胃粘膜は好中球やリンパ球などといった白血球を動員して、食作用によりそれを排除しようとするため、炎症が起こります。また、ピロリ菌自身も特異的な毒素を持ち、この毒素が胃の粘膜細胞に傷害をもたらすため、炎症が続いてしまいます。この持続的な炎症が慢性胃炎の原因になります。

ちなみに、慢性胃炎の状態が長期間続くと、胃の粘膜が不均一に薄くなる萎縮した状態となって萎縮性胃炎に進行します。

慢性胃炎になると、どんな症状が出てくるの?

慢性胃炎の症状と程度は必ずしも同じものとは限らず、中には症状がまったく出ない人もいます。

慢性胃炎の際にみられる症状として、上腹部の不快感、膨満感、食欲不振などがよくみられます。これらの症状が1カ月以上続くと慢性胃炎を発症している可能性が疑われます。

胃の不快感はどうすれば治る?

胃の不快感を治すためには、まず胃のトラブルの原因となるピロリ菌がいるかどうかを調べる検査を受けること、そして、もしピロリ菌が見つかった場合には除菌治療をすることが必要です。

まず、ピロリ菌の存在を調べるための検査として、内視鏡を使わない方法と、使う方法があります。

内視鏡を使わない方法には、尿素呼気試験法、抗体測定、糞便中抗原測定があります。

尿素呼気試験法
診断薬を服用し、服用前後の呼気を専用の袋に集めてピロリ菌の有無を確認します。精度が高いことから、現在最も主流の検査法です。
抗体測定
血液検査や尿検査を行い、ピロリ菌に対する抗体がいないかどうかを調べる検査です。
糞便中抗原測定
糞便中のピロリ菌の抗原の有無を調べる方法です。

内視鏡を使う検査では、胃粘膜あるいは、胃の組織の一部を採取して診断します。

これらの検査でピロリ菌の存在が確認された場合、ピロリ菌の除菌を行います。ピロリ菌の除菌方法は、胃酸の分泌を抑制する薬と、2種類の抗生物質の薬を1週間ほど内服します。この治療法で、約8割の方は除菌に成功するという報告があります。

除菌治療後に不快感が出てきたら

ピロリ菌の除菌治療を終えた方のうち、少数の方に胸焼けや酸っぱいものが口のほうにこみあげてくる感覚がすることがあります。これは、ピロリ菌の除菌によって胃酸の分泌が正常に戻ったことで起こる、一時的な症状です。

時間が経てば症状が落ち着くと思いますが、長引くようでしたらピロリ菌の除菌治療でお世話になった医師に相談してみてください。治療は内服薬で行うことができます。

おわりに:ピロリ菌は慢性胃炎の原因になっていることも。必要に応じて、病院で検査や治療を受けよう

慢性胃炎を発症する理由のひとつに、ピロリ菌感染が考えられています。ピロリ菌を放置すると、慢性胃炎が進行して萎縮性胃炎になる恐れもあります。内視鏡を使わなくてもよい検査もありますし、除菌治療は1週間ほど薬を服用すれば終わります。胃の調子がずっと悪いときは、念のため病院で検査を行い、必要に応じてピロリ菌の除菌治療を受けましょう。

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