記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/2/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ひどい咳や息苦しくなると「風邪かな…」で片付けてしまいがちです。でも、こうした症状が長引くと、肺がんを始めとする別の病気の可能性も出てきます。この記事では、肺がんの初期症状の特徴とともに、疑わしい場合の検査方法について解説します。
肺がんは、肺に悪性腫瘍ができる病気です。タバコを吸う人の病気というイメージがありますが、タバコを吸わない人でも肺がんになる可能性はあります。2017年の調査によると、国内でがんで亡くなった人は約37万人です。そのうち、肺がんで亡くなった人は男性で約5万3000人で死因の第1位、女性では約2万1000人で死因の第2位となっています。
最初にできたがんを原発性といいます。たとえば、肺が元になった場合は原発性肺がんと呼びます。一方で、原発性がんの細胞が他の臓器に移動して、他の臓器で増殖したものを転移性といいます。肺がんは、脳や肺、骨、肝臓といった他の臓器や、肺の近くのリンパ節に転移することがあります。
肺がんは顕微鏡での観察から、小細胞肺がんと、非小細胞肺がんの2つに分類されます。小細胞肺がんは、特にタバコとの関連が強く、早い段階から他の臓器に転移をしやすいとされます。発見されてから1~2カ月で亡くなることもあります。進行度にもよりますが、手術が難しいことも多く、その際は化学療法が治療の中心となります。一方で、非小細胞肺がんでは、手術での治療が標準的となります。
肺は呼吸に関わる臓器です。肺がんによって肺の機能に影響が出始めると、次のような症状があらわれます。
いずれも風邪症状やタバコの煙によって起こっていると見過ごされやすい症状です。しかし、症状がなかなか治らずに継続する場合には、病院で検査を受けることがすすめられます。また、自覚症状はなくても、検診や人間ドックで行われる胸部レントゲン検査で異常を指摘されることがあります。先延ばしにせず早めに受診しましょう。
風邪の症状と思われやすい咳ですが、長く続く場合には、肺がんを含めた別の疾患が疑われます。原因を探るためには、次のような検査を行っていきます。画像から異常が起きた場所や形を判断し、さらに細胞を採って顕微鏡で確認することで確定診断が行われます。
肺がんは、初期にはあまり自覚症状が目立たず、あらわれる症状も咳や痰といった風邪やタバコの煙の影響とされやすいものがあります。検診や人間ドックで異常が見つかって初めて受診する人もいるでしょう。
しかし、2017年の調査では、がんで亡くなった人のうち、肺がんの数は男性で1位、女性でも2位と共に多くなっています。検診は定期的に受けるとともに、気になる症状が続くときには医療機関を受診してみましょう。
この記事の続きはこちら