「軽いタバコは害が少ない」はウソ!?

2019/2/4

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

タール1mg、あるいは「ライト」といった表記がある、いわゆる「軽いタバコ」。タール20mgなどの重いタバコと比べると、まだ体にやさしいイメージがありますが、軽いタバコは果たして本当に害が少ないのでしょうか?

「軽いタバコ=害が少ない」はウソ!?

タバコを吸い始めたばかりの方や、比較的健康志向の方が選ぶ傾向にあるのが、タールが少ない軽いタバコです。

タールは歯につくヤニのもとになったり、体内に蓄積して肺を真っ黒にしたりする有害物質の一種です。またタールには多くの発がん性物質が含まれているといわれており、このことから「タールが少ないタバコは体への害が少ない」というイメージがもたれています。

しかし軽いタバコでも、ふつうのタバコと健康被害の度合いは変わりません。実はタバコのパッケージに記載されているタールやニコチンの数値は、タバコ1本の含有量を指すものではなく、タールやニコチンが多くても少なくても中に入っているタバコは同じものです。

これらタールやニコチンの数値は、一定の条件下で機械が吸引した煙を分析したもの(※)で、フィルター部分の空気穴の数や紙巻きの種類によって数値は変化します。たとえば空気穴が多い、あるいは空気を通す紙巻きが使われていれば、ニコチンやタールの測定値は低くなります。

ただ、実際にタバコを吸うとき、この空気穴は指で塞がれてしまうので、あまり機能しません。さらに軽いタバコを吸う人は、満足感を得るために深く吸ったり、あるいは根元まで吸ったりする傾向があるので、結果的にはふつうのタバコとタール摂取量が変わらなくなってしまいます

※軽いタバコのパッケージに記載されているタールやニコチン量は、機械で1分間で2秒間、1回35ccの吸引でタバコ3cm残して吸ったときの数値といわれています。しかし実際には1分間に2秒以上吸う方がほとんどと思われるので、正確な数値とはいえません。

軽いタバコのほうが肺がんリスクが高い!?

「軽いタバコのほうが害が少ないと思っていたのに…」とショックを受けている方もいらっしゃるかと思いますが、さらにショッキングな話が…。0~7mgの低タールタバコと8~14mgのタバコで、肺がんリスクを比較分析した調査によると、「低タールのほうが肺がんリスクは高い」という結果が出たそうなのです。この理由としては、軽いタバコを吸っている人の多くが、パッケージに表示されている数値よりも多くのタールやニコチンを吸引していることが関連しているのではと考えられています。

おわりに:「軽いタバコ」でも、健康被害は軽くない!

「スーパーライト」「低タール」などと書かれていると、体にやさしいようなイメージを受けるものですが、軽いタバコはふつうのタバコよりも深く、根元まで吸い込みがちなので、健康被害は決して軽くないという結果に…。
軽いタバコは、タバコデビューしたい方や禁煙したい方が手にとりがちですが、それがかえって落とし穴になるかもしれません。低タールだからといって侮らず、健康のためにも禁煙を心がけましょう。

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