前立腺がんを見つけるために、まず受けるべき検査は?

2019/2/17

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

年齢とともに、男性に発症するリスクが高くなる病気のひとつに前立腺がんがあります。前立腺がんは進行が遅いので、早い段階で見つければ治る可能性が高くなるといわれている反面、目だった初期症状はみられないため、自分で気づくのが難しいと言われています。どうすれば前立腺がんを早く見つけられるのでしょうか。

前立腺がんってどんな病気?

前立腺がんは、男性にのみ存在する前立腺という臓器にできるがんです。加齢に伴い、ホルモンバランスが変化することが発症の原因のひとつと考えられているため、中高年の男性なら誰もが気をつけたい病気のひとつです。

前立腺がんを発症すると、尿が出にくい、排尿時に痛みがある、尿などに血液が混じるといった症状がみられます。ただ、これらの症状はがんが進行してからみられるもので、初期の段階ではこうした自覚症状がほとんどありません

したがって、初期の段階で前立腺がんを見つけ、適切な治療を受けるためには、定期的に検査を受けることが大切なのです。それでは、どのような検査を受ければよいのでしょうか。

前立腺がんを見つけるために最初にする検査は?

前立腺がんを発症しているかどうかを調べるために、まず最初に受ける検査がPSA検査です。

PSAとは
Prostate Specific Antigen(前立腺特異抗原)の略で、前立腺だけが作り出すタンパク質のひとつです。
前立腺に異常がなくてもPSAは作られますが、前立腺の病気を発症している場合は大量に作られるため、数値が高くなります

PSAの数値を調べるには、血液検査を行います。年齢が上がるにつれてPSAの基準値も高くなりますが、一般的に以下の数値を超える場合は、なんらかの前立腺の病気(前立腺肥大症、前立腺炎など)を発症している可能性がある、と考えられています。

年齢 PSA値
~64歳 3.0ng/mL 以下
65歳~69歳 3.5ng/ mL 以下
70歳~ 4.0ng/ mL 以下

検査の結果、PSAの数値が基準値を超えていたからといって、前立腺がんを発症しているとは限りません。先にも述べたように、PSAが高くなる病気は前立腺がん以外にもあります。精密検査でさらに詳しく調べてはじめて、前立腺がんを発症しているかどうかがわかります。この検査結果だけで「がんになった」と決め付けないようにしましょう。

前立腺がんの精密検査①:直腸診

前立腺は膀胱の下にある臓器で、一部が直腸に接しています。このため、直腸に指を入れて、外側から前立腺に触れ、状態を確認することがあります。この検査を「直腸診」といいます。

直腸診を行うと、前立腺の大きさや硬さ、表面のなめらかさ、触ると痛みが出るかどうかなどを調べることができます。もし、ごつごつした石のような部分があった場合、前立腺がんの可能性が高いと考えられています。

前立腺がんの精密検査②:超音波(エコー)検査

超音波検査は、肛門から超音波を発生する器具(プローブ)を挿入して、画像で前立腺の内部を調べる検査です。もし前立腺がんができていると、がん細胞が黒い影として映し出されます。

前立腺がんの精密検査③:前立腺針生検

直腸診や超音波検査から、前立腺がんの疑いがある場合、最終的に診断するために行う検査です。超音波で前立腺の状態を確認しながら、前立腺に細い針を刺して組織を採取します。

おわりに:前立腺がんを早期発見するために、40歳を超えたら定期的にPSA検査を受けよう

前立腺がんは進行がゆっくりなので、初期の段階でがんに気づけば治る確率が高くなります。40歳を超えたら、なるべく年に1度はPSA検査を受け、前立腺の状態を確認しましょう。

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