思春期の子どもと本音で話す9つのヒント

2017/3/15

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

8歳くらいから始まり、18歳くらいまで10年前後続くといわれる思春期ですが、心身ともに著しい変化をみせる時期だけに、本人も親もとまどうことの多い時期です。
今まではかわいく笑っていた子どもが急に無口になったり、反抗的な口をきくようになる。別人になったようで、親は急にさみしさを感じます。どうすればこの時期の子どもと心を割って話すことができるでしょうか。

話すコツは、信じる・共感する・逃げない

この時期の子どもと本音で話しをするのはかなり困難なことです。子どもが何を抱えているのか、プレッシャーを感じているのか、何にいら立っているのか、心を開かせるための、9つのヒントを紹介します。

1.頭ごなしに決め付けないでください

態度や言葉使いには理由があります。話しは最後まで聞いて、決して話しの途中で腰を折らないでください。何かが起きているように感じても、断定しないでください。「いじめられているの?」という深刻な表現ではなく、「どうかした?」「何かあった?」と軽くたずねてください。

2.ことばや行動を責めないでください

まず責めるのではなく、言い分を聞き出すようにしてください。本人を尊重している気持ちが伝わるようにしてください。決して面倒くさがらずに、聞く耳を持っていることを分からせてください。

3.何があっても味方であると伝えてください

校則違反するようなことや、やってはいけないことに手を出した場合でも、「力になりたい」「味方である」と伝えてください。叱るのはまだ後のことです。

4.決して逃げないでください

子どもはいつも親を見て育っています。何かあった時、何かが起こりそうな時に、親として毅然と立ち向かってください。子どもに逃げる姿勢は見せないでください。

5.子ども自身で考える機会を与えてください

結果は自分自身が責任を持たなくてはいけないことを、子どもに分らせなくてはなりません。そのためには、自分自身で考えて解決していく力をつけ、自立させる援助をしてください。

6.優先順位を決めてください

いつも文句ばかり言われると、本当に重大な局面が来たときに子どもは話を聞かなくなります。ドラッグやセックスの問題が起こりそうな時期には、身だしなみや日常の小さい行動に目をつむるのも必要なことです。

7.腹が立っても反応しないでください

情緒不安定や関心をひくために、ひどい態度をすることがあります。そのまま受け取らないでください。感情を表す方法が見つからないのです。

8.安心感を与えてください

子どもは大人に話すと事態がかえって悪くなると感じています。いじめを打ち明けたら、子どものせいではないこと、子どもの望まないことは決してしないことを伝えてください。しっかり耳を傾けて聞き、一緒に立ち向っていく信頼関係をつくってください。

9.無理に答えさせないでください

質問責めにしないでください。摂食障害を抱えている子どもに「昼食は何を食べた?」という直接的な言い方は厳禁です。「調子はどう?」というゆるい言い方は子どもを話しやすい気持ちにさせます。

自分自身に降りかかるリスクを想像できることが自立の近道

思春期はいわば人生のヨチヨチ歩きの時期です。手を差し延べ過ぎると自力歩行ができなくなります。自立を助ける近道は自分で考えさせることです。サッカーの得意な子どもの喫煙がバレた翌日は、喫煙をとがめるのではなく、大切にしていたサッカー生活に悪い影響がある可能性を感じさせる。何かを起こせば、どんなリスクが自分に降りかかるかの想像力を鍛えさせてください。「害がわかったなら、どうすればいいと思う?」と自分の行動の是非を考えさせてください。自分の人生には未来があることを感じて、自信をもつようになるでしょう。

おわりに:思春期は子どもにとっても親にとっても成長のチャンス

思春期の子どももいずれ社会に出る日がきます。思春期の難しい時期は問題が山積みで、子どもにとっては、解決能力を自分自身で学ぶ良いチャンスかもしれません。この時期に親がいかに真摯に子どもに向かい励ましたかで、子どもの将来が左右されるかもしれません。親にとっても思春期はチャンスかもしれません。

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