子供にジェネリック医薬品を飲ませても大丈夫?メリットは?

2019/2/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

薬局に処方せんを持っていくと、薬剤師さんからジェネリック医薬品を希望するか聞かれますが、ジェネリック医薬品を子供に飲ませることにリスクはないのでしょうか。
今回はジェネリック医薬品について、その定義や子供に飲ませることのメリット、ジェネリック医薬品への変更方法とあわせて解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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ジェネリック医薬品とは?

処方せんで受け取れる薬のなかには、先発医薬品や新薬と呼ばれるものと、後発医薬品・ジェネリック医薬品と呼ばれるものの2種類があります。

通常、薬は7~13年の開発期間を経て新しく開発された後、厚生労働省の審査を受けて特許登録され、まず新薬・先発医薬品として製造・販売されます。ジェネリック医薬品は、20~25年の特許期間が終了して国民の共有財産となった先発医薬品と同じ有効成分と製法をもとに開発・製造される薬のことなのです。

近年になってから積極的に使われるようになり、先発医薬品に比べ安価であることと、「後発医薬品」という言葉から、ジェネリック医薬品の有効性・安全性を疑問視する声もあります。しかし、ジェネリック医薬品は20年以上の実績で安全性を確立させた先発医薬品と同様の有効成分を持ち、国が実施する正式な臨床試験をクリアした上で販売されています。このことからもわかるように、ジェネリック医薬品の有効性と安全性は、先発医薬品とほとんど変わらないといえます。

子供にジェネリック医薬品を飲ませても大丈夫?

医薬品は、その有効性や安全性に問題がある場合、先発医薬品のみが扱われる特許期間中に、販売中止や改善の必要に迫られます。このため、特許期間中に有効性・安全性が確立された成分と製法で作られ、国の審査を通過しているジェネリック医薬品は、むしろ先発医薬品よりも安全な薬とも考えることができます。

したがって、基本的には、子供がジェネリック医薬品を服用することについて特に心配する必要はありません

ただし、子供の体質や体格、薬の飲み合わせによっては、ジェネリック医薬品の服用時に副作用が出る可能性も考えられます。子供にジェネリック医薬品を飲ませるにあたり心配なこと、不安、疑問点があるなら、あらかじめ医師に訪ねて、気がかりな要素を可能な限り減らしておきましょう。

ジェネリック医薬品を選ぶメリットは?

子供に飲ませる薬にジェネリック医薬品を選ぶメリットとして、先発医薬品の有効性・安全性はそのままに、飲みやすいよう工夫・改良されている点が挙げられます。

たとえば、子供にとって飲みにくい粉薬や錠剤の先発医薬品が、ジェネリック医薬品として開発されるときに、より飲みやすい糖衣錠や液剤に改良されていることも多いのです。したがって、子供本人が先発医薬品の服用を嫌がっている場合でも、ジェネリック医薬品に切り替えると服用してくれる可能性もあります。

どうすればジェネリック医薬品に変えられるの?

処方される薬を、先発医薬品からジェネリック医薬品に変えるには、ジェネリック医薬品を使いたい旨を医師や薬剤師に伝える必要があります。

まず医師には、診察中に処方薬の話が出たときに「その薬はジェネリックにできるものですか?」と聞いてみましょう。また、薬剤師に伝える場合は、処方せんを提出するときに「ジェネリックでお願いします」と、自身がジェネリック医薬品を希望していることを伝えてください。

ただし、薬によってはまだ特許期間中で、ジェネリック医薬品がないものもあります。特許期間中の薬をジェネリック医薬品に変えてもらうことはできませんので、そのときは医師・薬剤師の指示に従い、先発医薬品を処方してもらってください。

ちなみに、ジェネリック医薬品の有無は処方せんの「変更不可」欄に印が入っているかどうかで、患者でも判断できます。変更不可欄に印が入っているときには、その薬をジェネリック医薬品に変更できるという意味です。

おわりに:子供がジェネリック医薬品を飲んでも問題ない!飲みやすそうなものを選んであげよう

特許期間が過ぎた先発医薬品の製法をもとに、有効成分はそのままにより飲みやすいよう改善・開発し、承認を受けて販売されているのがジェネリック医薬品です。先発医薬品でその安全性と有効性が確立されているうえ、より飲みやすいよう形状や添加物が工夫されているので、子供に飲ませる上でもメリットが大きい薬といえます。ジェネリック医薬品を処方してもらいたい場合は、医師か薬剤師にその旨を伝えましょう。

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