寝たきりになってしまう3つの原因とは?対策とともに解説!

2019/3/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

高齢になればなるほど、さまざまな要因から体が動きにくくなり、寝たきり状態になるリスクも高まっていきます。
今回は寝たきりになる原因について、代表的な「脳卒中」「認知症」「転倒・骨折」の3つを解説していきます。

寝たきりとは

寝たきりという言葉に明確な定義はありませんが、一般的には、以下のいずれか、または複数の条件に当てはまることを「寝たきり」と表現しています。

  • 自力での日常生活が困難になり、ベッド上での寝起きが生活の中心になっている
  • 病気やケガをきっかけに、ベッドに寝ている状態が6カ月以上続いている
  • 基本的には1日中ベッドで過ごし、排せつや食事、着替えなどに介助を必要とする

高齢者がこのような寝たきり状態になる代表的な原因・きっかけとして、脳卒中、認知症、骨折・転倒の3つが挙げられます。

寝たきりの原因①:脳卒中

脳の血管が詰まる、または破れることが原因で、一時的に脳に血液が行き届かなくなり、脳の神経細胞が障害される以下のような病気の総称が「脳卒中」です。

脳卒中に分類される病気

  • 脳動脈が詰まることにより、脳の神経細胞が障害される「脳梗塞」
  • 脳動脈が破れて、流出した血液が脳の神経細胞を障害する「脳出血」
  • 脳動脈のうち、団子状になった血管が破裂して脳を覆うくも膜の内側で出血する「くも膜下出血」
  • 脳動脈が詰まり脳神経を障害する疾患で、脳梗塞の前兆と言われる「一過性脳虚血(いっかせいのうきょけつ)発作」

このような脳卒中は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの疾患や、喫煙・多量の飲酒などの生活習慣が原因となって引き起こされると考えられています。

なお、脳卒中のきっかけとなる脳の血管のつまりは、心臓や首の血管にできた血の塊・血栓が血流にのって脳まで移動することによって起こるケースが多いです。このため、心電図検査や頸動脈へのエコー検査を定期的に受けておくと、寝たきりを招く脳卒中の予防につながります

寝たきりの原因②:認知症

認知症とは、日常生活に支障をきたすレベルで、物忘れや認知機能が低下している状態です。認知機能の低下は、何らかの理由で脳の神経細胞が障害され、少しずつ機能低下や死滅・減少していくことで起こると考えられています。

認知症になると、初期には近々の出来事や考え事・関心事がわからなくなる物忘れが出はじめ、その後、日ごろの行動の矛盾や妄想、失語、徘徊といった中期症状が出てきます。

さらに症状が進むと、表情やコミュニケーション能力が失われ、日常生活が送れなくなり、ついには自力で起立や歩行、排泄もできない状態に陥ります。このように、認知症は進行すればするほど、寝たきりになるリスクが高まる疾患です。

認知症と認知症による寝たきりを予防するには、以下のポイントを意識して、日常生活の習慣を改めることが欠かせません

  • 毎日規則正しいリズムで寝起きし、積極的に外に出て適度に運動する
  • 家で1人きりで過ごすのではなく、外出して周囲と社会的なつながりを持つ
  • 1日3食、バランスの良い食生活を心がけて生活習慣病を予防する

寝たきりの原因③:転倒・骨折

若い世代に比べて、高齢者は骨粗しょう症を発症するなどして全身の骨が弱くなっているため、家のなかで転んだり足を踏み外すだけでも、下半身を骨折する可能性が高いです。特に、高齢者が太ももの付け根にあたる大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)を骨折するケースは多く、2007年には15万人近くが大腿骨を骨折したと報告されています。

高齢者が下半身を骨折すると手術が必要になるケースが多く、治療にとても時間がかかるばかりか、治療が成功しても歩けなくなるリスクもあります。このため、転倒や骨折をきっかけに歩行機能が失われてしまい、寝たきり状態になる高齢者が多いとされているのです。

高齢者の転倒事故と、これによる骨折・寝たきり状態を防ぐには、以下のポイントに留意して高齢者の体や生活環境を整えることがおすすめです。

  • 手すりの設置や段差、階段をなくすなどして、自宅をバリアフリー化する
  • 毎日適度な運動を行い、転倒しないよう筋力とバランス感覚を鍛える
  • 足が上がりやすく、転倒を防ぐ設計がされた靴下や靴を着用させる

おわりに:寝たきりの三大原因、脳卒中・認知症・転倒による骨折を予防しよう

ベッドが生活の中心となり、日常生活に介助を必要とするようになる高齢者の寝たきり状態は、脳卒中・認知症・転倒による骨折をきっかけに引き起こされるケースが多いです。このため、これら三大原因の要因を知り、発症を予防することによって、寝た切りまで予防することもできます。この記事を参考に、脳卒中・認知症・転倒による骨折の効果的な予防法を実践してみてください。

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