赤ちゃんの呼吸がいつもと違う!いびきは鼻と喉の異変

2017/4/20

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

赤ちゃんがすやすや寝息を立てて眠っている時間ほど保護者にとって幸せなときはないかもしれません。
でも、赤ちゃんはいびきをかいたり、苦しそうにゼイゼイしたりすることもあります。

この記事では、不安を招く赤ちゃんの呼吸の異変についてまとめました。

なぜ赤ちゃんがいびきをかくの?

天使のように眠っている赤ちゃんも、すやすやとした呼吸音ではなく、大きないびきをかくことがあります。
それはなぜ起きるのでしょうか。

いびきは、鼻と喉を通る気流の詰まりが原因で起こる呼吸する際の口の中の摩擦音です。

いびきの原因と改善策は?

赤ちゃんのいびきの原因となるものを以下に挙げます。

風邪、インフルエンザ、アレルギー

ほとんどの原因は鼻や喉の上気道感染症で鼻がつまり、粘膜が喉からの空気の流れをブロックすることで起こります。またアレルギーによって、鼻腔内が狭くなり、いびきの原因となることもあります。

肥大したアデノイドまたは扁桃

アデノイドは、鼻が咽喉と接触するところにある塊状のリンパ組織であり、扁桃は、咽喉の後部に位置するリンパ組織の集合体です。
アデノイドと扁桃腺の両方が、口から入ったしたウイルスや細菌を捕まえて感染から赤ちゃんを守ります。しかしその過程で、ウイルスや細菌などに感染し、喉や鼻が腫れてしまうことがあります。
肥大したアデノイドや扁桃腺は、空気の流れを妨げるのでいびきの症状を起こすことがあります。

命の危険もある閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)症候群

大きないびきの途中で、呼吸が止まるようであれば、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)症候群の可能性があります。呼吸の休止している時間は10秒以上続くことが多く、夜間に何度も起きてしまうことがあります。

OSAは危険な事態にもなりかねません。うまく睡眠が取れないことで、赤ちゃんは機嫌が悪く、極度の疲労、集中困難、頭痛、成長障害などを引き起こす可能性があります。

赤ちゃんのOSAの大部分の症例は、アデノイドや扁桃の拡大によって引き起こされますが、体重が重すぎたり、顔に後退する顎や口蓋裂のような特徴があることにより、気道を塞いでOSAにつながる可能性があります。

いびきを改善するためには?

赤ちゃんが夜にいびきをかいていて、上記のような症状の呼吸の乱れが見られたら、小児科医の受診をお勧めします。小児科医と一緒に以下の解決策を考え、試しましょう。

枕を使う

まだ枕を使用していない場合は、マットレスの下に枕を置き、すでに枕を使用している場合は、頭の下にしっかりと枕を置いてください。眠っている間に頭を上げると、呼吸するときの通路が広がり、呼吸が楽になります。

アレルギーの原因を取り除く

アレルギーが原因の場合、アレルギーの原因となるアレルゲンを部屋から全て取り除きます。小児科医はアレルギーの薬を勧めるかもしれません。
アレルギーが改善されたら、いびきもかかなくなるでしょう。

アデノイドと扁桃の検査

アデノイドと扁桃の検査を受けさせましょう。検査により原因がわかれば、医者はアデノイドや扁桃の除去を提案するでしょう。

赤ちゃんの呼吸の異変はぜんそくの怖れも

ぜんそくで真っ先に気づくのは、しつこい咳でしょう。あるいは、呼吸する際に漏らすゼイゼイという音かもしれません。また、幼児の風邪がいつも長く続くことから気づくこともあるでしょう。これらは喘息の徴候かもしれません。

赤ちゃんのぜんそくは命の危険も

ぜんそくは、気道に侵入するアレルゲンやその他の刺激が原因で気管支が炎症を起こし、腫れあがって、粘液で満たされた状態です。
ぜんそくの発作が起こると、息切れ、胸の圧迫感、咳、ゼイゼイと呼吸する状態などを引き起こします。
赤ちゃんのぜんそく発作は、赤ちゃんにも親御さんにも恐ろしいことです。赤ちゃんが、呼吸できずに苦しむのを目の当たりにすることほど怖いことはないのですから。
ぜんそくではないかと不安に思ったら、小児科医を受診しましょう。

おわりに:赤ちゃんの呼吸の異変は危険がいっぱい

赤ちゃんが寝ているとき、起きてすぐ、夕方から夜など、呼吸が正常かどうか確認しましょう。特に、風邪やアレルギーなどの症状が出ている場合は気をつけます。
早めの対策が赤ちゃんを守ります。

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