記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
現在バレリーナとして活躍中であり、今年7月に米・ヒューストンバレエ団へ復帰予定の飯島望未さん。今回は、バレリーナとして人目を引く見事なプロポーションの独自のマネジメント法や栄養/体調管理法について、医師・山本康博先生を交えたインタビュー記事を2本にわたりお届けします!後編です。
−飯島さんは細身ですが、筋肉が綺麗についていてプロポーションが美しいですよね。普段はレッスンの他にプロテインを飲まれたりしているんですか?
飯島: ありがとうございます。
バレリーナの中にはプロテインを飲まれている方もいますが、私はプロテインシェイクがあまり得意ではないので飲みませんね。バナナとか豆類やナッツ、お肉など食べ物で栄養を摂りたい派なんです。男性のバレリーナはプロテインを飲んでいる方が多いと聞きます。男性は女性を持ち上がらなければならないので、比較的しっかり毎日トレーニングを行い、身体を鍛えているようです。
ちなみに、プロテインシェイクなどでついた筋肉はなかなか落ちにくいと聞いたことがあるのですが、事実でしょうか?たとえば、プロテインを食材以外から摂ったとして、筋肉がついて欲しくない部位にもついてしまい、その筋肉が落ちにくくなってしまうと嫌だなと思ったのですが…。私は特に太ももやふくらはぎに、すぐに筋肉がついてしまうので。
山本: 栄養学的には何を召しあがろうと筋肉自体は落ちると思います。しかし、プロテインを飲んだ場合、食事全体での蛋白質の摂取量が上がるので、やはり通常よりは筋肉がつきやすくなるかもしれないですね。
−バレエを踊っているとどのあたりに筋肉がつきやすいのでしょうか?
飯島: つま先で立っているときはあまりふくらはぎの筋肉は使わないのですが、バレエの動作を行う際にふくらはぎに筋肉がつきます。また、常にお腹は引き上げているので腹筋も使いますね。腹筋を使わずに立ち姿勢をしている人は足が太くなるといわれています。
意識的に上肢を引き上げる(pull up)と必然的に腹筋が使われるんです。バレエでは、プロポーションやしなやかな動きを表現が大事なので、常にこの”引き上げ”を意識しなければなりません。その引き上げの「意識」が重要なのです。
−なるほど。他にトレーニングなどで意識していることはありますか?
飯島:体幹の強化はとても大事にしていますね。プランクは毎日1分半を3セットくらいは行っています。練習の合間の休憩時間には、スタジオの横でみんなでプランクをしていたりもします。
−さすがです。姿勢の意識やトレーニングなど、日ごろの積み重ねを大事にされているんですね。バレエは身体感覚などが普通の人より発達していそうですね。
飯島: そうですね。バレエをやってる人にしかわからない感覚もあると思います。たとえば、先ほど述べた「引き上げ(pull up)」も、バレリーナだから通用する意識なのではないでしょうか。
私の先生はよく、「上半身は頭のてっぺんから糸で上へ引っ張られる感じで、下半身は足をしっかり地につけるよう意識しなさい。」と仰います。足はしっかりつかなきゃいけないけど上半身はフリーじゃないといけないので、上半身は滑らかな表現ができるようなconsciousness(=意識)が大事と。でも、これを大人になってからバレエを始めた方に伝えても、あまり通じてないように見えます。
−大人になってからバレエを始める方もいるんですね。
飯島: たくさんいますよ。バレエをすると姿勢が整い、綺麗なボディラインが作れますので。私がバレエを始めたのも、実は母が私の姿勢を正すようバレエ教室に連れて行ったのがきっかけだったんです。
ところで、飯島さんは怪我などはされたことはありますか?
飯島: あまり多くはないですがあります。骨折は2回経験し、最初の怪我が疲労骨折でした。
―疲労骨折した後、それを繰り返さないように心がけていることはありますか?
飯島: アフターケアの大事さですね。私は今までバレエを終えた後にクールダウンをしていなかったのですが、怪我をきっかけにアフターケアを入念に行うようになりました。
お家でもテニスボールやゴルフボールを使って足の裏をころころほぐしたり、ふくらはぎが張らないように揉んでマッサージしたりしていますよ。
飯島望未さんは、食事や怪我をしないための日頃のトレーニングにおいて、ご自身がベストだと思う独自のスタイルを確立し、バレリーナとして活躍されています。
お会いしたときは透明感がありピュアな印象をうけましたが、取材を続けるうちに、内に秘めているものの熱さや自身のペースを守りきる堅い信念を感じました。飯島さんの今後の活躍に、目が離せません!
【プロフィール】
飯島 望未
大阪府出身。1991年生まれ。姿勢を改善するためにお母様がバレエ教室に連れて行ったことをきっかけに6歳からバレエを始める。13歳のときにNYで開催された「ユース・アメリカ・グランプリ」で3位に入賞。15歳で渡米し、翌年には米ヒューストン・バレエ団とプロ契約を果たす。2014年、同バレエ団のソリストに昇格。2015年、同バレエ団を退団後に一時帰国しフリーとして活動を続けた後、2016年8月よりスイスのチューリッヒ・バレエ団で活躍される。その後の様々な活動において、ヒューストン・バレエ団が自身と一番合っていることを再確認。2017年7月ヒューストン・バレエ団へ復帰予定。自身のインスタグラムでは煌めくファッションセンスも話題を呼んでおり、今後のさらなる活躍が期待されている。
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