死亡する危険性も!夏に要注意の「熱中症」~リスクと対処法~

2017/6/15

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

日本の厳しい猛暑。
そのあまりの暑さで、毎年多くの熱中症患者や死亡者が出てしまっています。

熱中症はどんな人でもかかりうる症状です。
命を落とさないためにも、注意すべき症状や対処法などを知っておきましょう!

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ご存知ですか?「高熱症」

気温や湿度が極度に高くなると、通常、人の身体は体温の上昇に合わせて発汗し、体の表面の熱を冷却します。しかし、汗をかいても身体が十分に冷やされなかった場合、身体は「高熱症」を発症することがあります。

「高熱症」とは、熱ばて、熱射病性失神(熱に長時間さらされた後に突然やってくるめまい)、熱痙攣、熱中症などを含む熱関連の症状の総称ですが、中でも要注意なのが「熱中症」です。

「高熱症」の中で最も危険な「熱中症」

熱中症とは、体温が40℃以上に達したときに起こる高熱症の一種で、特に高齢者の方は死亡するケースもあるので注意が必要です。熱中症の症状には吐き気やめまい、頭痛などさまざまなものがありますが、以下のような症状が1つでも現れたら、すぐに病院を受診してください。

・高熱
・肌の乾燥やほてり
・精神の錯乱
・鼓動が強く速くなる
・発汗しなくなる
・ぼーっとする
・よろめく
・気絶する

熱中症になりやすいのはどんな人?

熱中症などの高熱症は誰にでも起こり得る病気ですが、下記に該当する人は、熱中症などの高熱症の発症リスクや死亡リスクが高いと考えられているので注意しましょう。

・高齢者

・乳幼児

・水分補給が不足している

・減塩など食生活を変えている

・心臓、肺、腎臓などの慢性の病気がある

・複数の薬を服用している

・発汗量が少ない(利尿薬や精神安定薬、血圧の薬などで引き起こされることがあります)

・肥満または痩せすぎ

熱中症を予防するには?

高齢者や特に慢性的な病気を抱えている方は、熱中症の発症や死亡リスクを下げるためにも、暑くて湿度の高い日にはたくさんの水分補給をし、エアコンの効いた屋内で過ごすようにしてください(エアコンのない暑い場所で過ごしたことが原因で熱中症になり、死亡してしまうケースがあります)。もし家にエアコンがないという場合は、図書館などのエアコンのある公共施設へ行き、熱中症を防いでください。

熱中症の症状が出たときの対処法

熱中症のような症状が現れた場合、応急処置として以下のことを行ってください(その後病院を受診することを忘れないでください)。

・暑い場所から離れ、エアコンの効いた涼しい場所に連れて行く

・横になり身体を休ませる

・冷たいシャワーを浴びて熱を冷ます

・濡れタオルなどを手首、首、わきの下、股間にあてる
これらの血管は皮膚表面に近いところに位置しているため、身体を効率よく冷やすことができます。

・水を飲ませる

おわりに:高齢者など抵抗力の弱い方は事前に予防を!

熱中症は、最悪の場合死亡するリスクもある恐ろしい症状です。特に高齢者の方は気温の感じ方が鈍くなっていたり、熱にうまく対処できなかったりするので重症化しがち。万一の事態になる前に、日頃からこまめな水分補給や涼しいところで過ごすなどの事前の予防を心がけてください!

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