記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
ギリシャ、フランス、スペイン、南イタリアなど
地中海に隣接した地域で食べられている「地中海料理」。
地中海料理には、魚、果物、野菜、豆、全粒粉などが多く含まれ、
逆に肉、乳製品、お菓子はあまり含まれていない点から、
うまく運動と組み合わせればダイエット効果が期待できるんです!
地中海料理の健康上のメリットや、
日々の生活に地中海式ダイエットを取り入れるコツについて、
今回の記事でご紹介していきます!
研究によれば、地中海料理は運動を組み合わせることでダイエット効果が期待できるそうです。さらに、
・血圧、血糖値、コレステロール値のコントロール
・(脳の機能が低下した高齢者の場合)認知機能の低下を遅らせる
・心臓病、がん、2型糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病の予防
などの効果もあると考えられています。
「地中海式ダイエットはやってみたいけれど、日本で実践するにはどうすればいいの?」
「難しそう」などと思われる方も多いと思います。
日本でも地中海式ダイエットはしっかり実践できます。毎日の生活に取り入れたい方は、以下の点を心がけてください(疑問点がある場合は医師に相談してください)。
これらの食品が、食事の大半を占めるようにします。多種多様な果物や野菜を選び、シンプルな調理を心がけます(野菜をオーブンで焼く、バターの代わりにオリーブオイルで焼くなど)。
主食は全粒粉のパン、シリアル、パスタ、玄米などの穀物に切り替えてください。
調理時はオリーブ油やキャノーラ油などの不飽和脂肪を使用し、バターや全乳乳製品、マーガリン、パーム油、ココナッツオイルなどの飽和脂肪の摂取は制限してください。乳製品もなるべく制限し、低脂肪乳製品を選んでください。
おやつにはクルミ、カシューナッツ、アーモンドやピスタチオを食べます(ナッツは不飽和脂肪の良い供給源です)。
全粒粉パンに塗るものは、無添加のピーナッツバターやフムスにしてください。また、野菜スティックに塗るものも、サワークリームやチーズではなく、フムスやオリーブオイルベースのビネグレットソースにしてください。
レンズ豆や大豆、穀物、野菜を組み合わせた菜食主義の食事に切り替え、週に1〜2回、マグロ、サーモン、マス、サバ、ニシンなどの魚のグリルを食べてください。
お肉を食べたいときは赤身肉ではなく鶏肉を選び(1食分は80~140gにしてください)、ソーセージやベーコンなどの高脂肪の肉は避けてください。
地中海式ダイエットでは、基準の範囲内であれば適量のワインを飲んでも問題ないとされています。ワインを飲む際は、
・女性や65歳以上の男性:1日1杯まで
・65歳未満の男性:1日2杯まで
の量を守ってください(なお、白ワインよりも赤ワインのほうが健康に良いと言われています)。
上記より多い飲酒をすると、病気になるリスクが高くなります。飲酒量を制限できない場合や自分や家族がアルコール中毒の場合は、禁酒するのが賢明です。
ソーダなどの甘い飲料やお菓子を食べる回数を週に1〜2回に減らしてください。
甘いものが欲しくなったらフルーツを食べるようにしてください。
運動は地中海式ダイエットの効果をさらに高めます。
週5日の適度な運動(ウォーキング、ハイキング、水泳、サイクリングなど)を、少なくとも一日30分は行ってください。自分自身が楽しめるもので構いません。
「地中海式ダイエット」と聞くと、「イメージがわかない」「なんだか難しそう」という印象を持たれる方もきっと多いかと思いますが、ここ日本でも実践するのは難しくありません!ダイエット効果だけでなくあらゆる病気の予防効果もあるので、早速今日の食卓から取り入れてみてはいかがでしょうか?