記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
2017/8/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肺癌は、癌の中でも死亡率が高いと知られている病気です。肺癌を発見するためにはレントゲン検査が有効ですが、リスクを懸念する人も少なくないでしょう。今回の記事では、肺癌発見のためのレントゲン検査とCTスキャンについて解説します。
肺癌の早期発見などのために検診では頻繁に胸部X線検査が行われていますが、それに加えて以下が明らかになると、肺癌を疑われる場合があります。
・首や肩のリンパ節の腫れ
・聴診で肺に異常雑音が聞こえる
・まぶたが垂れ下がる(眼瞼下垂)
・腕の痛み
・腕、胸、または首の血管が浮き出る
・顔の腫れ
一部の肺癌では、特定のホルモンやカルシウムなどの血中濃度が異常に高くなる場合があります。このような数値の変化が起こる他の原因がはっきりしていない場合も、肺癌が疑われる場合があります。
肺癌の症状が出始めた場合は、胸部X線(レントゲン)検査で癌を確認できることが多いです。まだ症状を起こし始めていない場合でも、たまたま別の目的で撮影した写真に映ることもあります。より詳細な検査のために、胸部のCTスキャンが必要になることもあります。
胸部X線(レントゲン)検査は、胸部およびその周辺の構造物をX線撮影する検査で、肺癌、肺炎、心不全、結核、サルコイドーシス、間質性肺炎などの状態の診断やモニタリングのために用いられます。医師は、胸部X線(レントゲン)検査で、現在行われている治療法がどれほどうまく作用しているかを観察したり、手術後の合併症をチェックするためにも使われます。
胸部X線検査は、撮影前に上半身の服を脱ぎ、ガウンを着用し、検査に支障をきたす宝飾品などを取り除きます。検査は、立った状態、座った状態、寝た状態で行われ、生殖器をX線から守るために、リードエプロンを着用することがあります。
胸部X線(レントゲン)検査は、早期肺癌の特徴である小さな腫瘍の検出に有効であると証明されているわけではありません。早期発見のために、胸部X線検査の他にヘリカルCT検査を受けることが推奨されています。
胸部X線(レントゲン)検査で使用される放射線は非常に少ない量であり、被曝による悪影響を生じるリスクは低いとされています。ただし、妊娠している場合や妊娠の可能性がある場合は、医師に相談するようにしましょう。
CTスキャンでは、X線とコンピューター技術を使って画像を作成します。造影剤を注入する場合もあります。横になり、トンネル状の機器の中に入って、X線撮影をします。麻酔は必要ありません。CTスキャンは胸部X線よりも多量の放射線による被曝を伴うため妊娠を疑う女性の方は注意が必要です。
肺癌は、早期発見のために定期健診を受けることが重要です。早期発見のための検査について学んでおきましょう。