腰痛を起こす原因とその習慣を解説

腰痛のよくある症状

腰痛の大半は「非特異的腰痛」（明確な原因がない）、または、「急性腰痛」（関節、骨、脊椎周辺の軟組織からくる痛み）です。
この種類の腰痛によくある症状を挙げます。

・体勢によって痛みが良くなったり悪くなったりする傾向があります。たとえば、座っていたり、寝転がっていたりすると痛みが弱まる、などです。

・典型的な例として、動くときに痛みが増します。しかし、背中をまったく動かさないようにするのはいけません。症状が悪化する可能性があるからです。

・突如痛みが走る、あるいは、徐々に痛みを感じ始めることがあります。

・悪い姿勢、または、物を持ち上げようとしたときの体勢が悪いことが、腰痛の原因になっているかもしれません。しかし、これといった理由もなく腰痛になることもしばしばあります。

・捻挫（靭帯を傷めている）、筋違い（筋肉を傷めている）などのちょっとした怪我に起因する腰痛かもしれません。

・ストレスや疲労と連関した腰痛かもしれません。

・たいてい数週間で治り始めます。

腰痛には明確な原因がない？

ジョンズ・ホプキンス・スクール・オブ・メディシンで、痛みに関する医学教授をしているスティーヴン・コーヘン氏は、「多くのケースで、医師でも腰痛の原因を見つけ出すことはできません（上記、非特異的腰痛）」と話します。
痛みがあるのは分かっています。ただ、検査やスキャンをしても原因を明らかにすることができないのです。

しかし、医師が腰痛の原因を特定できなかったとしても、効果のある治療法を提供することはできると、コーヘン氏は言っています。

腰痛を起こしやすくする原因

私たちは腰痛の代表的な原因を予防したり、変えるための行動をとることができます。
以下に挙げる代表的な腰痛の原因を理解し、腰痛を予防しましょう。

肥満

体重が重ければ重いほど、腰にはより大きな負担がかかります。健康的な体重にしていくことで腰痛予防の効果があるかもしれません。

生活習慣・姿勢

アメリカン・アカデミー・オブ・ペイン・メディシン、次期総長のリン・ウェブスター氏は、「毎日はいている靴、毎日している仕事の内容、座り方、寝るときの姿勢など、生活習慣のちょっとしたことすべてが腰痛の原因になり得ます」と話します。

この多くは姿勢に関する内容です。パソコンで作業するとき、背中が曲がってはいませんか？ 背中がアーチ形に曲がってしまうようなハイヒールをはいてはいませんか？ 立っているとき前かがみの姿勢になっていませんか？ こうしたことを改善するだけで、腰痛の状態が変わっていくでしょう。

座りっぱなしの生活

十分な運動をしていないと、腰痛を引き起すことがあります。背筋やインナーマッスルが鍛えられれば鍛えられるほど腰痛に悩むことは少なくなるでしょう。

最近あまり活動的でないと思う人は、それを変えてみてはいかがでしょうか。医師に相談して自分でできそうな運動をチェックし、その運動を始めるときはトレーナーに指導してもらい正しいフォームを習得すると、腰痛対策に効果があるといえるでしょう。

喫煙

喫煙は血液の流れを悪くします。これは脊椎も例外ではありません。脊椎が傷ついたとき、治りが遅くなります。喫煙者の慢性的な咳も腰痛の原因となります。腰痛は禁煙しようとする理由のひとつになります。

緊張

緊張していると、筋肉も同張り詰めてしまい、。その結果筋違えや捻挫になりやすくなってしまいます。緊張している自分を上手くコントロールする方法をみつけることが、腰痛解決につながることもあります。

鬱病

腰痛と鬱病は同時に起こることがあり、互いに症状を悪化させる可能性があります。なお、鬱病は治療できる病気です。

おわりに：腰痛の原因となりやすい自分の行動を自覚しておく

腰痛の原因が明確でないときでも、注意するべき事柄に気をつかうだけで痛みをある程度予防・軽減することができることもあります。とくに仕事の場で、腰痛になりやすい体勢で長時間いる必要がある、または腰痛を起こしやすいアクションが多いといった場合は、その自覚を持って、常に自分の体勢や動きに気を配るようにしましょう。